滑りにどう影響する?人工雪と天然雪の違い

雪質 スキー場

コラム

雪には空から降ってくる天然雪と、雪不足を補ったり、室内に降雪させてゲレンデを作るために降らせた人工雪とがあります。それではこの二つの雪にどれだけの違いがあるのでしょうか?また、滑りに違いがあるのでしょうか?ここではその違いについて考察しています。

人工雪と天然雪は何が違う?

雪 結晶
この二つの雪を比べてみると、いくつか違いがあります。結晶の大きさや形も違いますし、不純物の含有量も違ってきます。しかし、一番の違いは結晶の核が異なっていることです。
天然雪は六角形の幾何学模様のような氷の結晶ができますが、人工ではこの結晶ができないのです。天然雪は、上空の気温が低い時に、雲の中の水のつぶが氷のつぶとなり、その氷のつぶのまわりに水蒸気が触れることで氷の結晶が作られ、それが重力で地上に落ちてくるというメカニズムになっています。これに対して人工雪は、低い気温の大気中に水を噴霧して、冷やされることで雪となって降ってくるという仕組みになっています。他には人工造雪機という機械で降らせることもあります。

人工雪はどうやって作るのか?

人工雪 スキー場
ゲレンデに人工雪を降らせる場合には二つの方法があります。一つは降雪機を使う場合と、もう一つは造雪機を使う場合です。
降雪機は空気を圧縮させ、その圧縮された空気を放出することで瞬間的にマイナス40度の温度空間を作り出します。その空間に水を吹きかけることで雪を作り出しています。ただ、この方法には欠点もあります。それは基本的に外気温が氷点下以下にならないと雪を作り出せないことです。正確にはマイナス2度以下でなくてはなりません。また、湿度が低いことも条件となります。たとえば湿度100パーセントの場合は、たとえ外気温がマイナス2度であっても雪を降らせることはできません。また、強風の時もうまく雪になりません。しかし、これらの条件がきちんとそろえば、天然雪と見間違うほどの上質な雪が出来上がります。
一方、造雪機は、製氷機で大量の氷を作り出し、その氷を細かく粉砕してゲレンデ上に撒くという仕組みになっています。氷を砕いて撒くという方法ですから、外気温や気象条件に関係なく雪を降らせることができるため、季節外れの時期であってもスキー場をオープンさせることができるようになりました。降雪機に比べてコストは高くなりますが、外気温に影響されずに雪を作れるというメリットがあります。

人工スキー場と天然スキー場との違いは?スキーにはどう影響する?

天然雪 滑り
天然雪には空気が多く含まれており、雪質が柔らかくなるという特徴を持っています。当然これらのことは天然雪のスキー場の特徴となって表れてきます。ただ、天然雪のスキー場は天候に大きく左右されるという側面を持っています。天然雪のスキー場の雪質は、その時の気象条件によって異なります。気温も湿度も高ければべったりとした湿った雪になり、逆に気温も湿度も低ければサラサラのパウダースノーになります。同じ日でも地域、あるいは山の特性にも左右されるでしょう。また、同じスキー場でも山陰の場所や、日当たりの良い場所など温度の変化があるところでは当然雪質も変わってくるため、滑りに違いが出てきます。
一方、人工雪のスキー場はどうでしょうか。人工的に雪を降らせるわけですから、どこにでもスキー場を作ることができると言っても過言ではありません。そのため大抵の場合、アクセスしやすい場所に作られます。つまり、誰でも気軽に行けるという利点があります。また、人工雪は雪に含まれる水分の密度が高いため硬くて滑りやすいという特徴を持っています。上級者にとっては、スピードを楽しめるため嬉しい点ですが、初心者にとっては天然雪に較べて急な動作などをすると転びやすいため欠点とも言えます。硬いため、転倒した際の痛みは大きいでしょう。人工雪のスキー場で滑る時には、プロテクターなどの装着が推奨されます。特にスノボの場合はお尻へのダメージが大きくなりますから、初心者でなくとも、臀部のプロテクターは必需品と言えます。造雪機を使っている場合、氷を砕いて作り出した雪であるため、よりアイスバーンになりやすいです。ザラザラとした感触があるのも特徴の一つです。

人工雪や天然雪は口に入っても大丈夫?

雪 口に入る
空から降ってくる雪は食べても大丈夫なのか、というのは誰でも子供のころから抱いていた素朴な質問ですが、結論としては食べても問題ありません。確かに空気中には様々な有害物質やチリなどが浮遊しており、それを含んだ雪は一見汚いように思えます。しかし、アメリカの研究で、雪が取り込んだほこりや花粉などは、人間が通常生活をしている中で取り込んでいる量とさほど変わらないため特別有害というわけではないという結果が出ています。ただし、一度地面に着いてしまった雪を食べるのはおすすめしません。雪は一度地面に着くとバイ菌などが付着して汚くなるため、食べるのなら空から落ちてくるものをダイレクトに口に含む方が良いでしょう。
人工雪の場合は、製氷機で作られた氷であり、飲料水と同じ水から作られているため無害無臭であり、もちろん食べても問題ありません。ただ、天然雪と同じで一度地面についたものは別問題です。また、降雪機が油などで汚れていた場合は、この油が付着する恐れもありますので、注意が必要です。

まとめ

天然雪のスキー場と人工雪のスキー場にはそれぞれ雪の違いによる相違点があります。天然スキー場は天候に左右されますが、人工スキー場は天候には全く影響されません。また、それらの雪質の違いによって滑りにも違いが生じることもわかっています。これらを良く理解したうえで、適切な行先を選ぶようにしましょう。

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