コンタクトは苦手だという人は意外に多いもの。しかし、スキーやスノボをする時は、目に雪が入る、雪目になるなどが考えられるため、ゴーグルは絶対に着用しておきたいものです。普段メガネで生活をしている人はどうすれば良いのか、スキー場でのメガネやゴーグルの着け方についてみていきましょう。
メガネでスキー・スノボはできるのか?
普段はメガネで生活している、という方は一定数いるでしょう。理由は様々ですが、コンタクトが苦手という場合には、スキー場でもメガネで滑れれば…と考えてしまいますよね。メガネを着けずとも滑れるのであれば一番良いのですが、視力が悪いまま滑るのは危険が増します。
結論としては、きちんと対策をすればメガネを着けた状態であっても滑ることは可能です。メガネの上から使用できるゴーグルなど、いくつかの対策があるのです。
普段コンタクトをしない人にとっては、わざわざ用意するのは無駄な出費と思われるかもしれません。しかし、ワンデータイプのものは30枚程度入って2,000~3,000円程度で購入ができます。スキーやスノボだけではなく、他のスポーツをするときにも使えますので、決して無駄にはなりません。
コンタクトはつけなれていないと涙が出たり、不快感を覚えたりします。そのため2~3日前から事前に装着して慣れておくことをおすすめします。ゲレンデでは風や雪の影響でコンタクトが外れ、なくしてしまう可能性もあるので、必ず予備を用意しておきましょう。
メガネだけでスキーやスノボを。どんなリスクがある?
メガネだけでスキーやスノボをすると、いくつかのリスクが想定されます。
転倒して怪我をする可能性がある
スキーやスノボには必ず転倒がついてまわります。初心者であれば一度も転ばないというのは無理があるといっても過言ではありません。転倒すればそれだけレンズやフレームが破損する可能性が高まります。その破損した部分が鼻などに当たり、怪我をすることも十分に考えられます。
視界が曇る・狭くなることで衝突の危険性がある
コンタクトに比べるとメガネは視界が制限されてしまいます。スキー場の天気は変わりやすく、雨や雪が降ってくると、遠くまで見えなくなってしまうこともあります。視界が制限されている状態で雪で前が見えづらくなると、人や障害物に接近していても気づくことができず、衝突して怪我をしてしまうかもしれません。
つまり、特に初心者のうちは晴れているとき以外でのメガネでの滑走は非常に危険なのです。
雪の反射で目を傷める可能性がある
実はスキー場は、雪によって太陽光が反射され、強い光を長時間浴び続けることによって雪目になることがあります。雪目とは紫外線によって引き起こされる疾病で、「雪眼炎」とも呼ばれます。スキー場や高山などに長時間いることで角膜の細胞が傷つき、炎症を起こすというものです。数時間してから症状が現れるため、スキー場ではなく自宅に帰ってから痛みや涙が出ることもあります。眼科での治療が必要となってしまうため、紫外線をカットできるサングラスやゴーグルで予防をしましょう。
その他
ほかにも、メガネに雨の水滴が付着すると、レンズを拭きづらいため視界が悪い状態で滑り続ける形になります。非常に危険なため、できればコースの脇に避けて拭き、また滑り始めたいですが、何度も繰り返すと滑っている感覚が薄れてしまうかもしれません。
また、フレームが金属製であれば、冷気によって凍ってしまい肌に触れる部分が凍傷になってしまうこともあります。ゲレンデの気温はとても低いですから、特に寒い日は注意しましょう。転倒した際に無くしてしまう恐れもあります。外れてどこかに飛んだりすると、雪に埋まって見つけづらいだけではなく、誰かに踏まえれてしまったり、それが原因で怪我を引き起こしてしまったりということも考えられます。
メガネでスキー・スノボを楽しむ方法
どうしてもコンタクトが嫌だ、という人は、次のような対策があります。
・メガネの上から装着できるゴーグルを活用する
・インナークリップを活用する
・メガネの落下対策を行う
いずれもメガネを使うことで考えられるリスクを、少しでも抑えるための工夫となります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
メガネの上に装着できるゴーグル
出典:VILISUN スキーゴーグル_Amazon
ゴーグルにはメガネ対応のものがあり、メガネを外すことなく着用できます。普通のものに比べて少し大きめで、ゴーグルの中でメガネが固定できる仕様になっています。きちんとサイズが合っていればずれることも無く、またランチタイムや休憩のときはゴーグルだけを外せるので、快適に過ごす事ができます。様々なデザインのものが販売されており、オシャレを楽しむことも可能です。
ただし、ゴーグルといえども曇ってしまうこともあります。曇り止めのコーティングがされているものもあるので、そうしたものを購入するのが良いでしょう。曇りを防ぐのであれば、使用前にゴーグルの外と内側の温度差を抑える工夫が効果的です。ゲレンデですぐに着けるのではなく、少し待って肌の温度が低くなってから着けるのがおすすめです。
ゴーグルの内外で温度差が出ていても、レンズに水滴が付かないよう防水になっていれば問題はありません。防水スプレーやジェルなどを塗布することで水滴を防ぐことができます。
また、いずれにしても転倒時の破損には十分に注意が必要です。上からゴーグルを着けるため多少補強はされますが、そもそもメガネ自体の強度が弱い場合は、転倒の衝撃で壊れてしまうこともあります。
メガネとの相性も重要で、サイズが合っていなければ逆に視界が悪くなり危険です。注意点も踏まえ、安全に滑るための対策は怠らないようにしましょう。
ゴーグルにインナークリップを装着する
出典:ゴーグルインナークリップ_Amazon
インナークリップを購入して、装着するという手段もあります。インナークリップは、普通のゴーグルの内側に度付きレンズを取り付けられるもので、視界も広くて良く見えます。柔らかいプラスチック製の薄型フレームにレンズを付け、それをゴーグルにはめ込んで使うというものです。
その良さは何といっても、顔や目にレンズやフレームが触れない点です。違和感が少なく、度付きレンズがしっかりと固定されるので、安定感があります。
問題としては、耐久性があまりないということが挙げられます。状態によってはシーズン毎に買い替えなくてはならない可能性もあります。安全に使用するため、状態はしっかりとチェックしましょう。また、視力が変わればレンズを替える必要もあるため、そうした点も含めて検討しましょう。
メガネの落下対策を行う
出典:調整可能メガネバンド_Amazon
メガネの落下を防ぐには、落下防止用のバンドを装着する、あるいはヘルメットをかぶって落下防止するという方法があります。
防止用バンドはスポーツメガネバンドとも呼ばれており、メガネをかけてスポーツをする人が良く使っているもので、滑降中に外れることもありません。
また、ヘルメットを上からかぶることで固定させるという方法も選択できます。ゴーグル一体型のヘルメットを使用しますが、吹雪いたときには細かな雪が入ってきてしまいます。
どちらもメガネの上からゴーグルをするという違和感は否めず、さらに曇ってしまうことや転倒の際の破損の危険などが軽減することもありません。緊急用やクリップなどの他の方法がとれなかったときに試してみるとよい程度のものだと認識しておきましょう。
まとめ
スキーやスノボを楽しむ場合、視力の悪い人はどうしてもメガネで工夫をするかコンタクトにせざるを得ません。メガネのままで滑るための工夫をいくつかご紹介しましたが、費用・安全面などを考えても、やはりコンタクトを着用することがおすすめです。
どうしてもメガネがいいのであれば、それぞれの特徴をしっかりと確認したうえで自分にあった方法を探してみてください。