長野と新潟の県境にそびえる斑尾山。その山頂直下の北斜面に広がっているのが斑尾高原スキー場です。円錐形の山肌には小さな尾根がヒダのように走り、コースはその尾根沿いや谷間の自然の地形を利用した変化に富んだもの。また、スキー場管理区域内に設けられている非圧雪のツリーランエリアの数は日本一。オフピステ派にとっても楽しみ満載なスキー場です。近年は隣のタングラムスキーサーカスとも尾根伝いでコースが連結し、共通リフト券を利用すれば行き来することが可能になっています。
子連れのファミリーでも上級者でも楽しめる、非圧雪のツリーランエリアでは日本一の数を誇る伝統的なスキー場
斑尾高原スキー場は昭和47年(1972年/札幌オリンピックが開催された+年)に開設されました。かつてフリースタイルスキーのFISワールドカップも開催されたことのある、伝統的な名門スキー場です。
斑尾高原は標高が高く、また降雪量の多い地域。シーズン中は長期にわたってパウダー状の粉雪がたっぷり積もり、ゲレンデには非圧雪エリアも各所に設けられています。そのため、オフピステ好きのスキーヤー&スノーボーダーが大勢集合。ちょっと上級者志向といった観もありますが、一方未就学児(小学生未満)はリフトが無料となっていて、小さな子連れのファミリーにも人気です。
斑尾高原スキー場のメインエントランスは、斑尾高原ホテル横のゲート。ここをくぐるとその先は比較的フラットな広場となっていて、チケット売り場やインフォメーションセンター、救護所などが設けられています。ただし、入口とはいえ、地形的にここがスキー場のボトムになっているわけではありません。スキー場最下部よりずっと高い位置にあるので、斑尾山の山腹に開かれたメインエリアへは滑り降りてアクセスするカタチになります。
メインエリア正面に一直線に向かう「パラダイス」と呼ばれるスロープは少し斜度があるけれど、「初心者A」「初心者B」「ユートピア」など、緩やかな迂回コースもいくつか用意されているので初級者も安心です。
また、スノーボードが初めての人には、斑尾高原ホテル裏手にボード初心者専用コースが設置されています。しかも1日3回、インストラクターによる1時間の無料!レッスンが開催されるといったうれしいサービスも。初めてスノーボードを体験しようという人はお見逃しなく!
メインのジャイアントコースで滑るなら第2クワッドリフト、初心者なら第5リフトをセレクト
斑尾高原スキー場の最下部は標高910m。広大なすり鉢の底のような地形の場所で、どのゲレンデ、どのコースを滑っていても最終的にはここにたどり着くようになっています。
リフトは正面にフーディーのスーパークワッドリフト、右側の「レストランハイジ」横に第2クワッドリフトが架かっていて、正面のバーンは山頂から下ってくる「ジャイアント」と呼ばれるコースの下部エリア。
ここは整備の行き届いた中斜面。幅も広いのでロングターンの気持ちいいクルージングが楽しめます。フーディークワッドリフトは距離が長く、降り場からは斑尾高原スキー場のさまざまなコースにアクセスが可能です。
そしてボトム広場の左側には第5リフトが設置され、降り場から下はすべて初級者向きのコースとなっています。まだ滑りに自信のないスキーヤー&スノーボーダーは、このリフトを利用すると安心して楽しめますよ。
山間の閑静な雰囲気が漂うロングコース”クリスタル”を優雅に滑ろう
メインゲレンデの右側は大きなボウル状の地形。その沢に沿って「クリスタル」と呼ばれるロングコースが開かれています。スーパークワッドリフトを降りて右手にトラバースしていくと(コース名もトラバース)、その「クリスタル」の中腹に出てきます。
ここからすぐ下には、斑尾高原スキー場の最上部にアクセスする第13リフト乗り場。そのまま下って第12リフト乗り場までは中程度の斜度が続き、その後はいちばん下までずっと緩斜面。しばらくは圧雪された幅広のコースなので、初級レベルの人も気持ちよく滑ることができます。
また、左右を尾根に挟まれた「クリスタル」はちょっと閑静な感じ。メインエリアの「ジャイアント」とはひと味違った山間の雰囲気が楽しめます。
上級者は第13リフトで山頂エリア、非圧雪の急斜面が刺激的なクリスタル上部に挑戦!
滑りに自信のあるエキスパートや、非圧雪の深雪やコブ斜面にチャレンジしたいという人は、第13リフトで山頂エリアへ向かいましょう。このリフトは、今は懐かしい昔ながらのシングルタイプ。各地のスキー場のほとんどのリフトが2人乗り以上となっている昨今、逆にちょっと新鮮!
スキー場のトップまで上がってリフトを降りると、左右の尾根伝い、そして直下を下る3つのコースが選べます。右手直下の「クリスタル」上部はかなりの急斜面で圧雪ナシ。ただ少し左側には林間の迂回ルートが用意されていて、ここはそれほど斜度がキツくないので、「直下の急斜面はどうも…」という人はこちらへ。さらに左へと進んでいくと「ジャイアント」の上部(やはり非圧雪)にアクセスします。
一方、第13リフトを降りて右手に向かってどんどん滑り込んでいくと、「アドベンチャーアイル」という尾根伝いをツリーランするコースに至ります。ここを少し下り、ボウル状の地形を谷間の「クリスタル」に向かういくつかのコースも非圧雪の急斜面。この周辺は基本的にすべて上級向きなのでご注意を。
ちなみに「クリスタル」の中腹、緩斜面のエリアからこちらの尾根の下部に向かって第15リフトが設置されています。その降り場から下の尾根伝いは比較的斜度が緩く、また圧雪整備もされているので、中級未満の人も大丈夫。そして、この尾根の反対側は「タングラムスキーサーカス」のエリア。共通券(通常のリフト券に500円プラス)があれば、両スキー場を行き来することが可能です。
規模もメニューも色々な各所のレストハウス。ランチにケーキやワインがつく嬉しいサービスも
斑尾高原スキー場は全域がかなり広大。そのため、あちこちのエリアに休憩スポットやレストランが設けられ、施設数は全部で5カ所。メインレストランといえるのは、ゲレンデボトムにある「レストランハイジ」で、ここは800席!が用意されているかなりの大規模施設。その正面にはカレーで有名なちょっとこぢんまりした「トワサンク」が。
メインゲレンデ左手の緩やかなコースを滑っている人のためにはレストラン「チロル」があり、またクリスタルコースの最下部には「ウエストバレー」や「バンフ」といったレストハウスがあるので、どこで滑っていてもランチやティータイム休憩、トイレ利用などに便利です。
ところで、トワサンクはランチをオーダーするとケーキやワインなど一品をサービスしてくれるシステム。「それにつられてしまった」というワケではないけれど、今回取材者はそのトワサンクを利用。おまけのワインとともに、数十年の歴史のあるカレーのコク深い味わいを楽しませてもらいました。
“オリオンの日”の大ビンゴ大会で、当日のツアー参加者は大盛りあがり!
今回の斑尾高原スキー場の取材日は、オリオンツアーが主宰する“オリオンの日”。そのメインイベントはツアー参加者のための大ビンゴ大会で、レストランハイジ内のスペースを貸し切って行われました。
ビンゴ大会なのだから、もちろん上がった人からどんどん景品がもらえるという趣向ですが、その景品の数や種類がハンパなし。ディズニーランドのチケットをはじめ、新潟の地酒やお米、お菓子、あめいはたこ焼き器といった具合にバリエーションが豊富で、品数もたっぷり。ほぼ外れなしということで、会場では「リーチ!」「ビンゴッ!」の声が飛び交い、若者も年配の人もファミリーも大盛り上がり。参加者にとって楽しいひとときとなったようでした。
また、“オリオンの日”は、「ナイター利用券」や「スノーラフティング利用券」、また「斑尾高原ホテル日帰り入浴券」などをどれか一つ選ぶことができる特典も。ほかにも数々のメニューが用意されているので、かなりおトクなツアーとなっています。
リピーター続出の理由はホスピタリティーの良さと充実した各種サービスにあり
非圧雪のツリーランコースが各所に設けられ、山頂エリアからのコースもなかなかハードな斑尾高原スキー場は、そこだけに着目すればちょっとクロート向けといった印象。しかし、下部エリアは初級者にもやさしいコースバリエーションが多数あって、本当はどんなレベルのスキーヤー&スノーボーダーであっても飽きることなく安心して楽しめるスキー場です。
また、スキー場全体がホスピタリティーにあふれた対応で、何度も訪れるリピーターは多数。スノーボード初心者のための無料レッスン開催や、小学生未満のリフト券無料といったサービスも充実し、家族連れにも人気となっています。
オリオンツアーの斑尾高原スキー場プランは、出発が関東・東海・関西に用意されているので、多くのエリアの人が利用可能。まだここに来たことのない人は、ぜひ一度斑尾高原スキー場の魅力を味わってみてください。(取材日:2019年1月26日)
・オリオンツアー 斑尾高原スキー場プラン https://www.orion-ski.jp/ski_area/gelandes/show/132
・斑尾高原スキー場 公式Webサイト http://www.madarao.jp/