数多のゲレンデが集合する広大な志賀高原。その一角を成し、群馬県境にほど近い横手山・渋峠エリアにある志賀高原横手山スキー場は、リフトが架かっているスキー場としては日本一標高の高いところにあります。標高2,307mの横手山山頂からの眺めは絶景中の絶景。もちろん雪質だって日本有数のふわふわパウダー。ゲレンデは比較的緩やかな斜面が多く、山頂から麓の硯川まで技術レベルを問わずゆったりとロングクルージングが楽しめます。
初中級者にうれしい斜面構成の山麓エリア
横手山の山頂へは、麓の硯(すずり)川のベースから直線的に配置されている3本のリフトを乗り継いでアクセスします。この3本のリフトを中心に開かれているのが志賀高原横手山スキー場です。一方、横手山山頂から反対側の群馬県方向に下っていくのが渋峠スキー場。両方をひっくるめて、志賀高原横手山・渋峠エリアと呼ばれています。
横手山スキー場の、最初の第1スカイペアAB線(1,122m)に沿った第1ゲレンデは長~い緩斜面。その次の第2スカイトリプル(1,103m)から下る第2ゲレンデは幅広い中斜面が、これまた長々と続きます。夏道を利用した緩やかなコースもあるので、初級者も安心して滑れる環境です。
上級者は山頂から一気に下るジャンボコースにチャレンジ
山頂へと向かう最終リフトの第3スカイペア(409m)周囲はかなり急峻。そのため、山頂からダイレクトに下るジャンボコースは上級向き。そのまま一気に第2スカイトリプル乗り場まで急斜面は続き、中上級者にとってはスリリングな滑走が楽しめます。
上部をグルッと迂回して第2ゲレンデ方面へと向かっていくキングコースも開かれていますが、一部20度を超す斜度の部分があるので、山頂エリアの滑走は初級者にとってちょっと厳しいかも(無理というわけではありませんが)。
横手山に来たなら山頂の展望台とパン屋さんは外さず行くべき!
まったくの初心者はともかく、少しでもスキーやスノーボードが滑れるようになったなら、ぜひ一度は横手山の山頂に行きたいもの。普通、スキー場からの眺望やゲレンデ施設のメニューなどは、スキーやスノーボードで滑る楽しさに対するおまけのような位置付けですが、この横手山に限っていえば、それが十分メインディッシュにもなり得るのです。
リフト終点の建物には屋上に展望台が設けられ、そこからの眺めはもうため息が出るほど。正面には斑尾、妙高、黒姫、戸隠、飯綱の北信五岳が目前に迫り、その先に北アルプスの白い峰々が連なります。左へ目を転じていくと、草津白根、浅間山、そして上州の名峰たち。空気の澄み具合によっては富士山だって見えるほどの景観。外国人旅行客も「ワンダフル!」を連発しています。
そしてもうひとつ、横手山の山頂にあるのは日本一標高の高いパン屋さん「横手山頂ヒュッテ」。この標高の気圧と空気と水がどうやらパンづくりに適した環境らしく、どれもこれも美味。名物の「きのこスープ」はぜひ味わいたいゲレ食のひとつです。窓から景色を眺めながらのゆったりしたランチタイムは至福のひとときです。
横手山スキー場の下部は家族連れにも好適な環境
横手山スキー場の第2ゲレンデから下は緩斜面の比率がかなり高くなっていますが、それではちょっと物足りないという人は、第4ペアリフト(369m)の架かる第4ゲレンデ、第5リフト(391m)と第6リフト(616m)が連続するクイーンゲレンデに向かいましょう。第4ゲレンデは短めですが、ワイドな中斜面でスピードに乗ったロングターンが快適。クイーンゲレンデは全体的には緩やかながら、起伏の変化があって気持ちのいい滑走が可能です。さらにクイーンゲレンデはスノーボードが禁止されています。そのため、ボーダーの動きが気になるファミリースキーヤーが安心して楽しめるゲレンデになっています。
休憩はリニューアルしたレストハウスの「あかり」でホッとひといき
広大な横手山スキー場には、山頂のヒュッテばかりでなく、ゲレンデ中腹にも食事処や休憩処がいろいろあるので安心。山頂から下る自信のない人は、こちらのレストハウスを利用しましょう。
第1スカイペアリフトの乗り場手前にあるレストハウス「あかり」は、リニューアルしたばかり。ウッディーな内装が心地よく、窓から差し込む光も暖かで、ホッと和めるひとときが過ごせます。
横手山・渋峠エリアは、つい連泊滞在したくなる魅惑のスポット
オリオンツアーの志賀高原(横手山・渋峠エリア)行きに日帰りプランはありません。首都圏や各都市から距離があることに加え、志賀高原は広大なので、たった1日滑るだけではもったいないからです。
横手山・渋峠エリアは志賀高原のごく一部ですが、単独のスキー場と考えたとしても滑りごたえ満点。初心者に優しく、上級者にとってもチャレンジしがいのあるスキー場です。さらに麓の宿泊施設の温泉も秀逸とあって、1泊といわず、2泊も3泊もしたくなってしまいます。時間を確保して、景観に、滑りにとたっぷり志賀高原を堪能することをおすすめします。 (取材日:2019年2月21日)
・オリオンツアー 志賀高原(横手山・渋峠エリア) https://www.orion-ski.jp/ski_area/gelandes/show/143
・志賀高原横手山スキー場 オフィシャルWebサイト https://yokoteyama2307.com/