「チェーン規制」とは?車でスキー場に行くときは雪道対策が必須!

雪道の運転は注意が必要

コラム

車でスキー・スノボに出かける場合は、必ずスタッドレスタイヤを履いておく必要があります。
スタッドレスならほとんどのシチュエーションで安全に走行することが可能です。
但し油断は禁物です。スタッドレスも万能では無く、チェーンをいつでも取り付けられるようにしておかないと危ない場面に遭遇することもあります。
最新の「チェーン規制」を知って、出発前にしっかりと準備を整えましょう。

「チェーン規制」とは

雪道とタイヤ

チェーン規制は積雪の多い地域でよく見られる規制です。峠道や高速では特に表示を見かけることが多いでしょう。

ですが、道路交通規則などで定められている措置として、チェーン規制が発令されると、安全走行可能な措置を講じる義務が発生します。
これを守らなければ、規制区間を走行できなくなるのです。

実はスタッドレスが得意なのは、新雪などの路面状況です。
アイスバーンやミラーバーンと呼ばれる凍りついた路面、また濡れた路面などは苦手としています。

雪道は通行する車によって踏み固められていきます。またトンネルの出口や橋の上などは、風が吹いていることが多いので、路面も凍りつきやすいです。
またそういった氷の上に雪が積もる場合もありますし、少し溶けてシャーベット状になったりもします。

この状況に対応するためには、チェーンを装着する必要があります。

ところが、これまではチェーン必須というルールでは有りませんでした。乗り心地や走行スピードが遅くなる点、道路を傷めてしまう点などが考慮されて、チェーン装着に準ずる装備であればOKでした。また発令には地域差もあります。

2018年12月に改定、チェーン装着が必須になった

雪道でのチェーンの装着

そういった傾向を是正するために、2018年12月から法改定されて、チェーン規制が発令されている区間では、装着が必須となりました。
これまではスタッドレスだけで走行できた道路も同じく、しっかりと罰則が取られるようになります。

チェーン規制と冬タイヤ規制

これまでは曖昧かつ地域差があったこの表現が、統一されました。
チェーン規制は文字通りチェーン装着必須、冬タイヤ規制がスタッドレスタイヤでOKという分類です。

標識も増えた

これに合わせて標識も追加されます。チェーン規制の標識は非常に解りやすいので、この際に覚えておきましょう。

違反時の罰則

違反すると、6か月以下の懲役、あるいは30万円以下の罰金が科せられ、単なる減点では済みません。
知らなかった、というのは全く通用しないため、遵守して走行しましょう。

チェーン規制対象エリア

雪と標識
既に国土交通省の公式サイトで規制区間が発表されていますので、ここでご紹介しておきます。
対象区間は、過去に積雪の影響を受けて通行止めが行われたような区間です。スキー場へ行く際には、ルートを確認して該当しているかどうかチェックしましょう。

平成30年度のチェーン規制箇所一覧

・直轄国道
山形県:112号 月山道路 西川町月山沢~鶴岡市田麦俣
山梨県・静岡県:138号 山中湖・須走 山梨県山中湖村平野~静岡県小山町須走字御登口
新潟県:7号 大須戸~上大鳥 村上市大須戸~村上市上大鳥
福井県:8号 石川県境~坂井市 あわら市熊坂~あわら市笹岡
広島県・島根県:54号 赤名峠 広島県三次市布野町横谷~島根県飯南町上赤名
愛媛県:56号 鳥坂峠 西予市宇和町~大洲市北只

・高速道路
新潟県・長野県:E18 上信越道 信濃町IC~新井PA(上り線)
山梨県:E20 中央道 須玉IC~長坂IC
長野県:E19 中央道 飯田山本IC~園原IC
石川県・福井県:E8 北陸道 丸岡IC~加賀IC
福井県・滋賀県:E8 北陸道 木之本IC~今庄IC
岡山県・鳥取県:E73 米子道 湯原IC~江府IC
広島県・島根県:E74 浜田道 大朝IC~旭IC

※必ず国土交通省の公式サイトにて確認して下さい。

・一般車のチェーン装着について
雪道未経験という方に向けて、チェーン装着箇所を確認しておきましょう。
前輪駆動=エンジンが前に設置されていて前輪がメイン動力として動く場合は、前輪に装着すればOKです。後輪駆動の場合は後輪に装着します。
4輪駆動の場合は、前に装着すればOKです。

冬の雪道で発生する新たな交通規制、冬用タイヤ規制

雪の山道
最後は冬用タイヤ規制について知っておきましょう。
先に挙げた通り、チェーン規制と冬タイヤ規制が明確に区分され、これによってスタッドレスタイヤは、冬タイヤ規制時に当てはまる装備となりました。
つまり、第1段階が冬タイヤ規制、第2段階がチェーン規制、最終段階が通行止めです。

冬タイヤとは

冬タイヤは、主に2種類存在します。スノータイヤとスタッドレスタイヤが該当しますが、正直な所、現在はほぼスタッドレスタイヤだと言えるでしょう。
昔はスノースパイクタイヤという、かなりグリップ力の高いタイヤが使われていました。
ですが文字通りスパイク状のために、道路をかなり痛める、粉塵公害も発生する、といった問題が有り、現在の日本では使用や販売がされていません。

速度規制と通行止め

主には速度規制が行われます。積雪時には雪氷作業車が出動して、除雪作業を開始します。作業車は時速40~50km程度で走行しています。
ちなみに道路情報板では「低速車作業中」と表示されます。
従って、安全を考慮すると一般の車も速度を時速50~80kmに制限する必要があります。

また、通行止めの可能性もあるので、道路情報板やラジオなどの情報をこまめにチェックすることを心掛けましょう。

車でスキー場へ出かける時は、必ずスタッドレスタイヤ装着とチェーンの準備を

雪の結晶
一般的には、道路交通法に則って走行していれば問題有りません。雪国にお住まいの方であれば、路面状況に合わせて最適な状態で走行できるでしょう。
ですが、普段は雪の積もり難い地域に住んでいて、凍結路面の経験も浅いと、雪国へ出向くのは少し恐怖心を感じるでしょう。

立ち往生については、こんなデータもある

国土交通省では、積雪で立ち往生してしまった車のおよその統計を取っていますが、冬タイヤを装着している車でも立ち往生してしまった理由として、チェーンの不携帯の割合が、なんと79%です。
そして10%はチェーン携帯しているものの未装着、といった状況となっています。
立ち往生の車は大型が半数以上を占めるものの、チェーンの準備と装着が大切であることは一目瞭然です。

チェーンの脱着場や周囲の車、天候や気温を頭に入れながら

路面状況の変化は、ドライバーなら感じやすいでしょう。また積雪地帯に近づくと、チェーン脱着場が現れるようになります。
オススメなのは、積雪が予想される手前でサービスエリアに入り、道路情報板を確認することです。

そして、いざチェーン規制が出たら確実に作業できるよう、事前のシミュレーションも良いでしょう。
作業時の事を考えると、ジャッキ、グローブ、スマホより明るいLEDライトなども用意しておく必要があります。
もう1点付け加えると、友人知人が装着を手伝ってくれた場合でも、必ずドライバー自身が最終チェックを怠らにようにすると、より万全です。

まとめ

チェーン規制と冬タイヤ規制について、説明しました。
今後は「チェーン規制」という言葉を見かけたら要注意で、チェーンを用意しておく必要があります。

また、スタッドレスタイヤが万能ではないという点も、今一度再認識しておきたいところです。
何より、無事にスキー場へ到着、無事に帰宅するのが最大の目的、重要事項です。安全運転で楽しいスキーツアーにしましょう!

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