スキー選びのキーワードは「ファット」と「ロッカー」
この十数年、スキー板は「カービングスキー」が主流になっています。スキーはもともと中央部がくびれた形状(サイドカット)をしていますが、「カービングスキー」はそのくびれの度合いが大きく、それにより角づけ(エッジング)するとスキーが自らターンを始めていく性能を備えています。
こうしたなかで、近年は「ファット系」と呼ばれる、センター幅の広いタイプが人気を呼んでいます。これはもともとオフピステといわれる天然の圧雪されていないパウダースノー環境で、浮力を出すために設計されたスキーですが、実はこの「ファット系」、通常のゲレンデでの操作感覚がマイルドで、長さも短いことから初心者や中級者にもおすすめなのです。
また、スキーのトップ部分とテール部分がわずかに上方向に反り上がった形状をしているものを「ロッカータイプ」といいます。ターンのときに雪が引っかからないので、スキーを回しやすいのが特徴です。
レンタルでスキーを始めたけれど、そろそろ自分のスキー板が欲しいなと考えている方は、この「ファット」と「ロッカー」についてショップの人にたずねてみるのもよいでしょう。
近年のスキーは短くても安定性抜群
ひと昔前なら、「200cmが上級者の証」などといわれましたが、現在では、技術レベルを問わず、男性なら165~175cm、女性なら150~165cm程度が普通。というのもスキーの性能が飛躍的に向上し、短くても昔の長いスキーと同等、もしくはそれ以上の安定性が出せるようになったからです。
また、以前は自分の身長もスキーの長さを決める要素のひとつでしたが、現在はそれもあまり考える必要はありません。滑るとき、大回りをメインに楽しみたいのであれば少し長め、小回りをメインにしたいのであれば短めという考え方で選ぶといいでしょう。
技術レベルや性別によるスキーの長さの基準として次の数字を参考にしてください。
◎男性初級・初心者:155~165cm
◎男性中・上級者:165~175cm
◎女性初級・初心者:150~165cm
◎女性中・上級者:155~170cm
かつては、スキーとともにバインディング(締め具)を別に購入する必要がありました。しかし、今ではほとんどのモデルがバインディングとセットになって販売されているので、ショップで取り付けをしてもらうことも不要になっています。
また、ストックは伸縮式がおすすめ! ロック機構で簡単に長さが調節できますから、持ち運びにも便利ですし、自分に一番合っている長さに合わせて使用できます。
カスタムフィッティングできるブーツは快適な履き心地
リアエントリーや3バックルタイプなど、スキーブーツにもいろいろなバリエーションがありましたが、現在は4バックルタイプが主流となっています。以前、このタイプは上級者向きといったイメージでしたが、4バックルなので締まりがよく、柔らかめのシェル素材(樹脂)であれば初心者から問題なく使用することができます。
また、ブーツ選びで一番大切なことは、いかに自分の足にフィットしているかということ。そこで、シェルやインナーブーツを熱で温め、自分の足型にフィットさせる「カスタムフィッティング」を備えているブーツも多く登場しています。ブーツ購入時に、この作業もショップで行ってくれるので、モデル選びのポイントとして知っておくとよいでしょう。
スノボブーツはラチェット式ダイヤルで締めていくタイプが人気
スノーボードは、トリック系やアルペン競技、フリースタイルなど、いろいろなジャンルがありますが、初心者の場合、最初はフリースタイルをチョイスするのがいいでしょう。
ブーツについていえば、スノーボード用はスキーブーツほどガチガチの硬さではなく、比較的柔らかめで歩行も楽。そのため、これまではレース(紐)で編み上げるのが一般的でした。しかし、やや面倒なため、近年ではラチェット式のダイヤルでワイヤーを締めていくタイプの人気が高まっています。
紐に比べてブーツ全体を均一に締めることができ、リリースするときもワンタッチで簡単です。
街中でも普通に着られるシックなウエアが増加中
これまでスノーボードウエアといえば、ダブダブでルーズなものが主流でした。ちょっとストリート系の雰囲気ということですね。ところがこの1~2年、そうしたかつてのスノーボードイメージのウエアが、売上げを落としているとか。スノーボーダーの嗜好が変化してきているのだそうです。
近年は、スキーウエアとスノーボードウエアをあまり区分しなくなっています。色合いは、黒系のシックでシンプルなカラーリングが主流になっていることもあり、そのまま街でも着用できる感じです。
一方、スキーウエアを見ると、昨シーズンまでは複雑な柄の上着に無地のパンツを合わせるのが上級者の間で流行っていました。それが、今シーズンは無地系の上着に柄のパンツを合わせるなど、逆転傾向が見られるとのこと(スポーツカムイ山下敦さん談)。また、大手スポーツウエアメーカーの傾向としては、左右非対称のザックリしたデザインのものが多く見られました。
すでに専門店には今年のラインナップがずらり。各メーカーの商品が豊富に揃えてあるので、数ある選択肢の中からぜひお気に入りの一着を見つけてください。