放置すると大変なゲレンデでの雪焼けトラブルの原因と予防について

スキーヤー

コラム

ほとんどの方は夏の日焼けに関しては十分な対策をされていますが、冬場は日照時間が短いことからゲレンデでの雪焼け対策をしていない人もいるでしょう。ゲレンデでの日焼けは、夏場の日焼けより深刻なダメージが残りますので、しっかりと予防をして雪焼けにならないように気をつけてください。

冬のほうが被害が大きくなるゲレンデでの雪焼け

夏場の海辺では、日焼けに気を使って日焼け止めクリームを塗ったりして予防している方はたくさんいます。しかし冬のゲレンデではどうでしょうか。
ゲレンデ

実は、冬場でも日焼けはしてしまいます。これは、夏の日焼けと区別して雪焼けといいます。冬の雪焼けは、夏の日焼けよりも肌に対する影響は強いです。冬場は太陽が低くなり紫外線の量も増えるうえ、直接体に当たらなかった紫外線も、ゲレンデの雪に反射して下からも照射されます。上と下からの同時に当たる紫外線によって、おおよそ夏場の2倍近い紫外線が肌に当たります。そのためより深く日焼けしてしまいます。

雪焼けを起こさないためにも必要なこと

冬が本番になるとゲレンデに出かける機会も多くなるという人もいるでしょう。その際には、雪焼けに対する予防策を十分に備えておきましょう。
顔をガードした女性

雪焼けの対策のために、肌を守るのはもちろん大切です。スキーウェアで日頃より露出が少ないとはいえ顔などの部位はむき出しになっている場合が多いです。日焼け止めをしっかり塗りましょう。雪も肌につくと溶けて水になります。夏に使用した、ウォータープルーフの日焼け止めを使用することをおすすめします。ゲレンデにあらかじめ行く予定があれば、夏の間に冬の分も買い込んでおくことをおすすめします。

太陽を直接見ないのは当たり前ですが、雪による反射光も太陽光に負けず劣らず強いものとなっています。目を守るためにも、ゴーグルやサングラスと言った目を保護するものを装着することをおすすめします。また、ウインタースポーツでは暖房の効いた部屋の中で休憩しますので、運動して水分のなくなった体がさらに乾燥される状況となります。シャワーを浴びて汗を落とすとともに、保湿にも十分気を配ってください。

ゲレンデの反射光は目にもダメージを与える

同じ冬の日でも、市街地の場合建物の外に出てもなんとも感じないのに対して、スキーハウスから外に出た場合眩しいと感じる場合が多々あります。これは上からの直射日光に加えてゲレンデからの照り返しで通常の2倍の光があたっていることが原因です。この光は、目にも大きなダメージを与えます。
ゴーグルをした人

この目を標的とした雪焼けとも言える雪目は、正式な病名を雪眼炎といいます。紫外線が過剰に目に入ることによって、起こる立派な外傷です。目の角膜や瞳の黒目の部分は可視光線以外にも紫外線の9割を吸収します、ですのでなにか対策を行わないと目の中が雪焼け、つまり雪目になります。そのためゲレンデに出かける際にはサングラスやUVカットゴーグルの装着をおすすめします。

ただし、色の濃いものですとゴーグル内が暗くなり瞳孔が開いてしまい、紫外線が目の奥に入りやすくなってしまいます。なるべく色の薄いものを選びましょう。

雪目にならないためにも

雪目にならないためにもサングラスやゴーグルの着用をおすすめしましたが、もしサングラスを着用しても眩しい場合はどうすればよいでしょうか。その場合はリフトに乗るときは目を閉じたり、滑っているとき以外は薄目を開けるなどなるべく日光が入らないように工夫します。
アイマスク

それでは十分な対策をとっても、雪目になってしまった場合はどうでしょうか。スキー場の帰りなどで目がしょぼしょぼしたり涙が止まらなくなってしまった場合、まずコンタクトは外してください。そしてなるべく目を閉じて休ませましょう。紫外線ケアの目薬をさしたり、瞼の上から10から15分ほど冷やし続けたりするなどして目のダメージを軽減させてください。この時、目のかゆみや痛みがあってもこすらないように注意しましょう。目の角膜細胞はとても再生力が高く、雪目の症状でしたら早くても翌日、遅くてもよく篤実の夜には回復します。ですが、素人判断で雪目が治ったかどうか診断するのは少々危険です。

目に異常があった場合には眼科の受診を受けて適切な処置をとってもらうことをおすすめします。また、角膜が再生しやすいものだと有っても油断してはいけません。紫外線が白目の部分に当たれば充血を起こし、雪焼けのように充血した部分にはあとが残ります、それに紫外線が与える目へのダメージは深刻で、角膜炎や白内障の原因にもなりかねませんのでゲレンデを去ったあとで目に対する違和感を感じた場合は早めの眼科の受診を心がけましょう。

唇も皮膚が薄いので症状がひどくなりがち

さて、皮膚の中で最も防護の薄い場所として唇も忘れてはいけません。唇は皮膚の下の血管が見えるほど薄いです。しかし、日焼け止めクリームは唇を避けているという人も多いのではないでしょうか。
ゲレンデで肌を晒しやすい顔の中で一番雪焼けになりやすいところです。唇に起こる症状としては皮が向けたりひび割れが起こったりと、いわゆる唇が荒れた状態になります。そこからさらにひどくなると、皮膚が剥離したり最悪の場合唇全体が腫れ上がる場合もあります。先程も述べたように唇にまで日焼け止めクリームは濡れません。起こってしまった唇の雪焼けを解消する方法でなんとかする必要があります。
リップクリームを塗る人

まずリップクリームですが、メントール配合など刺激の強いものは避けてください。刺激が強い分荒れた唇にはしみるはずです。できればUVカット性能のあるリップクリームを使用することをおすすめします。また唇が荒れてしまう前にマスクを付けたり、ネックウォーマーを口元まで上げたりしてなるべく光が当たらないように保護することもおすすめします。
それでも唇がヒリヒリしてきた場合は痛みが収まりまで保冷剤や氷水などで痛みが収まるまで冷やした後、保湿力の高いリップクリームや唇用の保湿液で潤いを与えます。このように十分冷やしてから保湿することで改定の唇の炎症は治まりますが、それでも痛みや腫れが残った場合は引くかに言って診察を受けてください。

肌全体も雪焼けトラブルの対象に

スキンケア
これまで細かな部分を取り扱ってきましたが、お肌そのものがトラブルに成ることも十分にありえます。太陽から出ている紫外線と、雪の照り返しから反射する紫外線、2つに挟まれていれば夏場の日焼けよりも重篤なダメージになります。この2つの紫外線によって皮膚がカサカサと乾燥したり、エイジング効果によって肌荒れを引き起こしたりします。

その予防のためには、しっかりとした対策が必要です。日焼け止めを塗るのはもちろんですが、しっかりと肌を保湿しておくことによって、エイジング効果を防ぐことができます。もちろん、直接日光に当たらなければ雪焼けもしませんのでネックウォーマーやマスク、マフラーなどを使用して極力肌を露出させないことも肝心です。

それでももし雪焼けが起こってしまったら、まずはその部位を保冷剤を包んだタオルや冷水によってクールダウンさせます。そして雪焼け予防のために塗っていた日焼け止めは肌への負担が大きいので必ずしっかりと落としてください。日焼け止めによっては弱った肌に悪影響を与え、ニキビや湿疹と言った肌のトラブルを引き起こします。その後72時間以内にメラニン色素が働き始めシミの原因となりますので、美白効果のあるフェイスマスクなどでアフターケアを行ってください。もし旅行先でフェイスマスクがない場合は、美白効果のある美容液をコットンにひたひたになるまで浸してからは隙間なく貼り付けてもOKです。その後のアフターケアによって後のお肌が決まりますので、なるべく丁寧に確実に行うようにしましょう。

くまなく塗ったと思っていても日焼けする場所はある

顔に日焼け止めを塗ってさあ大丈夫、と思っても忘れがちな部分が2つあります。
ニット帽の雪だるま

耳まわり

夏場だと髪の毛に隠れてあまり日焼けしませんが、帽子をかぶった場合耳が露出してしまうのでしっかりと塗りましょう。

顎の下

ゲレンデで雪焼けするのは空からの紫外線だけではありません。反射して下からやってくる紫外線も大いに影響があります。そのため顎の下にも十分塗っておきましょう。
そして忘れてはならないのが、髪や頭皮の日焼けです、髪や頭皮のケアはおざなりになりがちですが、紫外線でのダメージをとても受ける場所で一日滑ったら髪がボサボサというのも無くはありません。髪がパサパサになってしまうと後ろから見たときに、年齢より老けてみえますので、紫外線に当たらないように帽子をかぶるなどして紫外線を防ぐことが大事です。ニット帽でしたら、髪の毛と耳を纏めて覆う上、かぶっていて温かいので特におすすめです。

まとめ

このように夏の日焼けよりも冬のゲレンデでの雪焼けのほうがダメージは大きく、念入りな対策が必要になります。現在のところ雪焼けに関しては名前すら知られていないのが実情です。ゲレンデに行く際はリスクをしっかりと確認した上で、自分だけでなく周りにもしっかりと対策を呼びかけてください。

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