新潟の県境に近い豪雪地帯。戸狩温泉スキー場は昭和30年代初頭から運営し、数ある日本のスキー場の中でも古い歴史を持つ老舗スキー場のひとつです。ゲレンデ構成は、ペガサスゲレンデとオリオンゲレンデという2つのベースと、それを結ぶカシオペア(とん平)ゲレンデの3つのエリア。それぞれのゲレンデは変化に富み、各エリアを移動しながらダイナミックな滑走が楽しめます。また、「雪ちゃり」という、戸狩温泉スキー場ならではの新たなスノープレイツールも話題です。
3つのエリアを移動しながら縦横に楽しめる
戸狩温泉スキー場は長野県飯山市の山岳地帯にあり、標高400mから1,050mにかけて幾本ものコースが開かれたスキー場です。飯山市は新潟県に近く、冬は日本海からやって来る季節風でドカンと雪が積もる大豪雪地帯。だからハイシーズンは天然の降雪による新・深雪に恵まれ、近年はそれに着目したオフピステ派や外国人スキーヤー&スノーボーダーらにも人気となっています。
かつて戸狩温泉スキー場は、途中で折れ曲がる屈曲リフトやシュレップリフト、また現在主流のデタッチャブルタイプの高速リフトをいち早く導入するなど、とても先進的な運営が特徴でした。それらの設備は時代とともに順次架け替えられ、現在はペガサスゲレンデ、オリオンゲレンデ、そしてカシオペア(とん平)ゲレンデの3つのエリアを高速のロングリフトが縦横に結び、変化に富んだ幾本ものロングコースを効率的に楽しむことができます。
1本のリフトで初級者から上級者まで楽しめるペガサスゲレンデ
戸狩温泉スキー場の3つのエリアのうち、いちばん古くからあるのはペガサスゲレンデ。かつてはパノラマゲレンデと呼ばれていたこのエリアには、スキーセンターをはじめスキー場機能の中枢が集合し、戸狩温泉スキー場のメインゲレンデともいえるでしょう。まずは、このエリアの紹介から。
ペガサスゲレンデは中央にペガサスビートル4(1,037m)という高速リフトが架かり、その左右にさまざまなコースが開かれています。向かって左側は中級者向きの「五本松コース」。さらにリフト左側を大きく迂回し、下部でリフト沿いに向かう「みみずくコース」は全般的に緩やかな斜度で初級者も安心。
リフトを降り、すぐ右側のリフト沿いは非圧雪のダイナミックコース。雪が降ったばかりのときは深雪、圧雪されてコブが育っていけばモーグルコースとなる刺激たっぷりのスペースです。リフト右側をさらに迂回すると、そこは「イモハコース」と呼ばれ、レベルは中級者向き。ポールトレーニングバーンにもなっていて、競技会もよく行われています。
まるでミニアルプス? あちこちの尾根に多彩なコース展開!
ペガサスビートル4リフトを降り、そのまま正面の緩やかな連絡コースを滑り込んでいくと、カシオペア(とん平)ゲレンデエリアにアクセス可能。滑り降りた先は、戸狩温泉スキー場の最上部に向かうペガサスラビット4リフト(1,221m)乗り場。高速4人乗りのこのリフトはぐんぐん急角度に斜面を上がり、一気に最高地点の標高1,055mまで運んでくれます。
ここまで来ると雪質もずいぶんと変わり、最高の粉雪に。ラビットコースやジェットコースといった非圧雪エリアも多く用意され、オフピステ派にはたまらない楽しみ。また、沢伝いのコースはしっかり圧雪され、斜度も適度で中級者や初級者が安心して滑れます。
戸狩温泉スキー場の上部は小さな尾根が多く、それぞれの尾根の山腹にコースが開かれているので、遠方から眺めるとあたり一面ゲレンデだらけといった印象。そのあたり、ちょっとヨーロッパのスキー場っぽい雰囲気も感じられます。
ペガサスラビット4リフトを降りて、右手をとん平第2高速クワッドリフト沿いに真っ直ぐ下っていくと、とん平ゲレンデのボトムに到着。ここからオリオンゲレンデにアクセスすることができます。
新たなスノープレイツール、”雪ちゃり”にチャレンジしよう!
オリオンゲレンデは、以前はサンシャインゲレンデと呼ばれていました。とん平から連絡コースを滑っていくと、オリオンゲレンデの中ほど、オリオン高速クワッドリフト(871m)の降り場に到着。ここからオリオン第5ペアリフト(361m)で上部に向かうと、オリオン側に滑るすべてのコースは非圧雪の上級者向き。
一方、そのままゲレンデベースの温泉街方面に下っていくコースは「アルペンコース」(中級向き)と、やや迂回する「白樺コース」の2本があり、いずれもしっかり圧雪整備が行き届いているので滑走は快適。
また、オリオン第1ペアリフト(657m)沿いの左側は、雪ちゃり専用の「雪ちゃりスノーパーク」が整備されています。雪ちゃりとはゲレンデを走るバイクのこと。専用の太めのタイヤが付いたマウンテンバイク風で、新たなスノープレイツールです。戸狩温泉スキー場では、ペガサスゲレンデとオリオンゲレンデそれぞれに雪ちゃりの受付があるので、ぜひトライしてみましょう。インストラクターもいるので安心です。
それぞれのゲレンデには休憩&ランチスポットが多数
ペガサスゲレンデ、オリオンゲレンデともに、ボトムには個人経営による食事処が多く立ち並んでいます。いずれも特色があり、どこで食べようか迷ってしまいますが、今回取材記者はオリオンゲレンデのスノーダルマ食堂でランチすることに。
ユニークなメニューが多いなか、雪山チーズラーメンをチョイス。こってり濃厚なチーズ味が不思議にラーメンにマッチし、独特の旨さがありました。
戸狩温泉スキー場の上部エリア、とん平にも大型のレストランが2軒あるので、どこで滑っていても食事の心配は無用です。
戸狩温泉スキー場に行くなら、できれば宿泊付きプランがおすすめ
オリオンツアーの戸狩温泉スキー場プランには、夜発バス日帰りと宿泊付きのプランが用意されています。日帰りプランでも十分楽しめるけれど、戸狩温泉スキー場のお楽しみをしっかり味わおうというのなら、できれば宿泊することをおすすめします。
温泉スキー場というように、ペガサスゲレンデ、オリオンゲレンデ両エリアには、それぞれ露天風呂付きの「暁の湯」と「望の湯」があり、滑った後のひとっ風呂は最高。また、雪質のいいナイターで滑るのも昼間とは違った楽しみです。
それぞれのゲレンデ周辺には呑み処もいろいろ。夜、ブラリと出かけて一杯やるのもなかなか捨てがたいですよね。
・オリオンツアー 戸狩温泉スキープランはこちら
https://www.orion-ski.jp/ski_area/gelandes/show/134
・戸狩温泉スキー場 オフィシャルサイトはこちら http://www.togari.jp/