レンタルを上手に利用してスキー&スノボデビューしよう!

レンタルを上手に利用

コラム

スキーとスノボ、初めて挑戦するときの注意点は?

「これまでスキーをしてきたけど、スノボにチャレンジしてみたい」
「スノボだけじゃなく、スキーも味わってみたい」

どちらにも大きな魅力があるから、ぜひとも一度チャレンジしてほしいものです。同じ雪上のアクティビティですが、用具にはそれぞれに特徴がありますから、それを事前に確認しておくことにしましょう。

●スキー
スポーツとしての歴史はスノボよりもはるかに長く、それだけに道具も進化しています。レンタルの際、必要なのは、スキー板、ストック、スキーブーツの3点セットで、スキー板には、ブーツを固定する「ビンディング」が装着されています。まず、それぞれのサイズ選びについてみていきましょう。

<スキー板>
スキー板の長さは、一般的なビギナー&初級者の場合は、男性で160~170cm、女性で150~160cmがベストと言われています。自分の身長から割り出せるので、レンタルショップで相談した方がいいでしょう。

シニアの場合は、これよりも5cmほど短くても大丈夫です。スキー板が短いほど、回転しやすいという特徴があります。なお、カービングスキーと呼ばれるウエスト部分が絞られた形状のものがオススメです。

<ストック>
ブーツを履いて立ったときに、グリップを持った腕が水平になるくらいを基準にします。「長いほうが転んだときの支えになる」という人がいますが、ストックは転倒時に体を支えるものではありません。支えに使うと、かえってケガの原因にもなってしまいます。

<ブーツ>
普段履いている靴のワンサイズ下のものから試してみましょう。多少きつい感じがあっても、部分的に痛みがない場合は、時間とともに馴染んでくることがあります。3分ほどはいたままにして、様子を見てみましょう。ただし、足の指がまったく動かないという状態では、明らかにサイズが小さすぎです。逆にスキーブーツのサイズを大きめにすると足が動いて痛みの原因になるケースがあります。

<スキーレンタル時のポイント>
◎カービングタイプのスキー板を選ぶ!
◎スキー板の長さは短めでも問題なし!
◎ブーツは、最低でも3分間は履いたままで様子を見よう

さて、スキーレンタルで注意したいことがもうひとつ。それはビンディングの調整です。これにはセーフティ機構といって、転倒したり無理な力がかかったりしたときに自動的にブーツからスキーを解放する機能が備わっています。

この解放スプリングの強さを、体重や身長、技術レベルなどによって調整しなくてはならないのですが、それは専門の認定セミナーを受講した技術者(S-B-B認定整備技術者)でなくては行うことができません。

レンタルショップでは、専門技術者による調整を必ずしてもらうことになります。逆にいえば、専門技術者がいないレンタルショップは信用できないということになります。

*認定技術者によって調整された道具は、あくまでケガのリスクを最小限にするためのものであり、ケガを完全に防ぐものではありません。

●スノーボード
スノーボードに必要な道具はスキーに比べてシンプルで、基本的にはボード(板)とブーツです。ボードには、ブーツを装着するビンディングが取り付けられています。スノーボードにはスキーブーツのようなプラスチック製の硬いハードブーツを使用する「アルペンスタイル」と、足首が動かしやすいソフトブーツを使う「フリースタイル」がありますが、愛好者の9割以上がフリースタイルですし、レンタルもフリースタイルがほとんどです。

<ボード>
一般的なビギナーや初級者の場合、男性女性ともに身長マイナス10~15cmを基準に選ぶとよいでしょう。ただし、身長が180cm以上ある人の場合は、身長マイナス20cmを目安にします。体格に対するバランスが重要となります。

<ブーツ>
スキーブーツと同様に、普段履いている靴のワンサイズ下のものから試していきます。ほとんどのブーツはヒモやワイヤーで締め付けを調整する構造になっています。しっかりと締め込んでフィット感を高めて履くことで快適な滑走ができます。

<スノボレンタル時のポイント>
◎短すぎるボードは安定感がなく、かえって上達しにくい
◎ブーツは、ヒモやワイヤーをしっかりと締めてフィットさせて試着する
◎ビンディング調整はケガ防止に関わる大切なポイント。自分勝手にいじらず、プロにおまかせしよう

何もかもレンタルで揃えてレンタルで手ぶらでお出かけ

レンタルを活用できるのは、スキー&スノボ用具だけではありません。今、多くのスキー場でウエアのレンタルも行うようになりました。これを利用すれば、それこそ「何も持たずに手ぶらでスキー場へ」だって可能!

例えば金曜日の夜、学校や仕事が終わってからその足でツアーバスに乗るということも可能。レンタル用具というと、かつてはボロボロの安物を集めたシロモノなどというイメージもありましたが、今ではまったく様相が異なっています。

毎年、用具を入れ替えているところも多く、シーズン初期ならまっさらな新品に当たるなんてラッキーも! ですから、レンタル用具で少し上達してきたら、自分の好みに合わせてブランドやモデルを選び購入するという方法をオススメします。

ウエアにしても、さまざまなブランドのものから自由に選べたり、少なくとも「あ、レンタルウエアだ」などと指を指されたりする心配はないでしょう。欧米のスノーリゾートでは、セレブたちが高級レンタルを利用してスキー&スノボを楽しむのがスタンダードなスタイルになっています。

レンタルを利用するときのチェックポイントとコツ

とても便利なレンタルですが、利用するときのために覚えておきたいポイントがいくつかあります。

◎信頼できる整備技術者がいるショップを選ぶ
◎ ビギナーはどんな用具が自分に合っているのか不安。わからないことはどんどん質問しよう
◎ビンディングが外れないなどの不具合はすぐに報告し、必要なら交換してもらう
◎自分の技術レベルを過大申告しない!(ビンディング調整に関係し、ケガの原因となります)
◎仲間同士でスキー板を交換しない(それぞれに合わせた調整がしてあるため)
◎スキーやブーツを交換するときは、必ずビンディング調整もしてもらう!

また、ちょっとしたコツを知っておくと、より便利にレンタル利用できることもあります。

◎連続日程でレンタルする
1日単位で借りるより2日連続、3日連続のほうが安い料金設定になっていることがあるので、それを利用する。

◎ブーツだけ自分のものを持っていって、スキー板、ボードだけをレンタル
どんなに高級レンタルでも、ブーツだけは自分の足にフィットしたもの、慣れたものがベスト。そこでブーツだけを持参して、ほかをレンタルするようにすれば、荷物が少なくて済みます。

◎バスツアーなどを利用するときは、レンタルクーポンなどの有無を確認しておく
ツアーによっては、レンタル料金もセットになっている場合があります!

エキスパートだって、レンタルを有効利用したいもの!

レンタルは何も初心者だけのものではありません。多くのスキー場で「エキスパート向けレンタル」を扱っていますから、事前に調べておくとよいでしょう。これらのレンタルは、通常のものにくらべ料金も高いのですが、その年の最新モデルが置かれていたり、ワックスやエッジの調整も念入りにされていたりと、上級者が使用しても満足のいくコンディションの用具を提供してくれます。うまく利用すれば、その日の気分に合わせてスキーやボードを変えるなんてこともできますよ!

近年、スキーメーカーがスキー場にパイロットショップを出して「テストセンター」(メーカーによって呼び名は異なります)機能を持たせているケースも増えています。これは、いわゆる「レンタルスキー」というスタイルとは違い、「最新のモデルを最良のコンディションで、愛好者にテスト(レンタル利用)してもらう」というもので、いわゆる試乗のようなものです。

一般的なレンタルスキーとは違うので、まる1日借りっ放しということは難しいですが、それでもニューモデルを実際に雪上で試せる数少ない機会として注目を浴びています。また、スキー場のレストハウスではなく、スキースクールが窓口になっている場合もあります。事前に問い合わせが必要ですが、知っておいて損はないでしょう。

一例として次のようなものがあります。

ロシニョール:「グループロシニョールテストセンター」
アトミック:「ATOMIC ステーション」
サロモン:「SALOMON ステーション」
ヘッド:「HEADスポーツステーション」
詳細については、各メーカーに問い合わせてみてください。

白馬八方尾根の「HEADスポーツステーション」では最新モデルのレンタルが可能。超上級者向けからビギナーまでジャンルやレベルを問わず利用できます。

安全対策として、ヘルメットやゴーグルも忘れずに!

レンタルを利用する際、忘れてはいけないのが安全のための装備、つまりヘルメットなどです。最近はレンタル利用の条件としてヘルメットがセットになっているところも増えていますが、まだまだ少数のようです。もし、ヘルメットもレンタル可能ならば、必ず借りておきましょう。

また、ゴーグルも初心者にはマストアイテム。実は晴れているときこそゴーグルは重要です。雪山の紫外線量は真夏のビーチ以上! 裸眼で半日外にいたら、目の奥の網膜が日に焼けて痛み、取り返しのつかない事態にだってなりかねません。サングラスでもよさそうに思えますが、やはり転倒したときのことを考えればゴーグルがベストです。

ヘルメットやゴーグルは頭部と目を守る必須アイテム! 上級者だけのものではなく、むしろビギナーや初級者にこそ、欠かせないアイテムであることを覚えておきましょう!

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