スキー場に出かける前に必ずしなくてはならないことがあります。それはスキー 情報を集めることです。晴れているのか、あるいは雨なのか雪なのかで必要な装備が異なってきます。スキー場には晴れた日なりの、雪の日は雪の日なりの危険が潜んでいます。そのため出かける前には常に天候をチェックし、それぞれの天候に応じた準備と心構えをしておきましょう。
スキー場の天候によって起こりやすい問題と対策
スキー場へ出かける前に、スキー 情報を集めてその日の天候を調べることが大切です。天候の状態に応じてスキー場の状態は大きく変わります。それぞれの天候によってコンディションがどう変わるのか、注意すべき点は何なのかを把握しておきましょう。
晴れの日の問題と対策
《体温の上昇に注意》
晴れた日は、一見何の問題もないように思いがちですが、注意点があります。それは直射日光が強くなり、体温が上がることです。寒さ対策で何枚も着込んでいる上に、直射日光を浴びると体温は上昇します。
また、身体を動かせば動かすだけ体温が上昇していきます。その結果、服の中は汗で蒸れて相当濡れるようになります。
下まで滑り降りると今度はリフトに乗りますが、リフトで登る間に今度は山風で体が冷やされます。このような状態を何度も繰り返すのは、決して身体によくありませんし、風邪をひいてしまう原因にもなります。
体温の変化に対応するためには、リュックを背負っておき、こまめに着替えるようにましょう。
暑くなってきたらすぐに上着を脱ぐか、下に着ているものを一枚脱いで、体温を調節します。脱いだ服は邪魔になるのでリュックに入れておけば、再び快適に滑ることができます。
リフトに乗る時は、リュックから服を出してまた着れば大丈夫です。こまめに着替えることによって、体を守れます。
《雪目の問題》
晴れの日には雪目にも注意が必要です。雪の上では太陽からの紫外線の反射率が通常の地面よりも高く、目を傷つけてしまうことがあり、これを雪目と呼んでいます。
雪目を防ぐ方法は、ゴーグルを着用することです。ゴーグルは吹雪いたときなどにするものだと思っている人も多くいますが、快晴の日にも着用した方が安心です。これで目を紫外線から守ることができます。
また、雪焼けをしたくない人は、日焼け止めのクリームも塗っておくことをおすすめします。
《アイス バーンで怪我をする可能性も》
晴れの日にもう一つ注意しなければならないのが、アイス バーンです。アイス バーンは雪が圧迫され、ガリガリに凍った状態を指します。
前日踏み固められた雪の上に明け方雪が降って積もったり、日中気温が高くて夕方に少しずつ下がってきたりすると、ところどころにアイス バーンができます。
これは氷の上に雪が乗っているだけの状態ですから、当然、滑りやすくなります。転んでケガをすることも多いので注意しましょう。
雨の日
気温が比較的高い日には、スキー場にも雨が降ります。雨とはいっても平野部のようにどしゃ降りになることはほとんどなく、雪やみぞれのような状態です。もし、相当雨が降るようだと、スキー場自体が閉鎖されます。
雨が降った時は、雪の状態を見て滑るかどうかを決めます。雪上のコンディションがそれほど悪くなく、多少濡れてもかまわないという覚悟があるのなら滑りましょう。この場合は、ウェアやスキー靴などがちゃんと防水処理がされているかどうかを確認することが大切です。
滑っていて雨がいつまでも降り続くようなら、なるべく早く止めるようにしましょう。雪が解けてくると危険度が増してきます。
雨の日には防水スプレーを用意しておくと便利です。濡れたものを収納するために、何枚かのビニール袋や吸水性が高いタオルを用意しておきましょう。
雪の日
スキー場では少しの雪なら全く問題はありませんので、十分に楽しめます。ただ、強烈な吹雪だったり大雪の場合は滑走を止めた方が無難です。雪が降っている時は晴れの日に比べて寒いですし、顔に雪がかかるとなおさら寒さを感じます。
そこで便利なのがフェイスマスクです。首まである長いものならネックウォーマーの代わりもしてくれます。
また、雪の日はとりわけ視界が悪くなりますので、雪の中でも目立つ服装をしましょう。できるだけカラフルなものを着用すると多少の吹雪でも見えやすくなるので、吹雪で迷子になることも少なくなります。
吹雪に見舞われると、視界だけでなく自分の現在位置が分からなくなることもあります。いわゆるホワイトアウトなどに遭遇すると、誤って谷などへ転落することもありますので、ひどくなってきたらできるだけ早く引き上げた方が賢明です。
雪山は常に天候が変動しています。特に標高が高いと、晴れていると思ってもいつ荒天に変化するか分かりません。滑っている最中でも常に雲の流れに注意して、いつ悪天候になっても対処できるように心がけておきましょう。
特に注意すべき天候
スキー場での天候には、特に注意すべきものがあります。ここではその代表的なものを紹介します。
強風、突風
《リフトの運行について》
台風の接近時などだけではなく、雪山では強風が吹き荒れたり、時と場所によっては突風にさらされたりする場合があります。あまりに強い風の場合は、リフトの運行に影響を与えることもあります。まず、風に対するリフトの運行基準は、それぞれのスキー場によって決められています。目安としては、2人乗りのペアリフトならば風速15m/sを超えると注意報、さらに18m/sを超えると運転停止となります。風の強い日にリフトに乗る時には、落ちないようにしっかりとリフトを掴んでください。
また、下から見て揺れが激しくて危険だと判断したら、リフトは諦めてゴンドラに乗るようにしましょう。
《突風の危険性》
滑っている最中に突風が吹くことがあります。これも突然ですと、あおられて転倒することがありますし、コントロールも効きづらくなりますので注意しましょう。こんな時は無理に滑らないで、風がやむのを少し待った方が安全です。特に風の強い日にジャンプなどをすると、飛ばされることもあります。
吹雪、霧
《吹雪の時は慣れないコースに行かない》
もし、吹雪に遭遇したら、決して慣れないコースに行ってはいけません。また、よく知っているコースであってもできるだけ下の方で滑りましょう。
吹雪は今まで見えていたものをすべて隠してしまうので、人は方向感覚を失ってしまいます。よく見知っている場所でも分からなくなることがあるため、そんな時にはできるだけ早く避難しましょう。ロッジなどの建物の近くならひとまず安心です。
《霧が出たらすぐ下山する》
霧も同じように周囲が分からなくなると遭難の危険性が高まりますから、霧が出てきたらすぐに下山するか、どこかの建物の近くに避難してください。また、吹雪や霧は他の人とぶつかりやすくなりますので、十分に注意しましょう。
どうしても吹雪の中を滑らなければならない時は、ネックウォーマーをして、大きめのゴーグルで視界を確保します。なお、ゴーグルは曇りにくいものを用意しておきます。
雪崩
雪山で最も怖いのが雪崩です。それぞれのゲレンデでは、シーズンのオープン前に必ずコースチェックがされていますが、それでも雪崩は起きています。特にアイス バーンの上に新雪が降り積もると、雪崩が起きやすくなります。滑る時には地形などを十分に注意して見て、雪崩が起きそうな場所には近づかないようにしましょう。
危険な地域には必ず注意喚起のための立て看板がありますので、そこには行ってはいけません。また、雪崩が起きた場所や起きそうだと思われている時には、絶対にコースの外には出ないようにすることも大切です。
《雪崩はなぜ起きるのか》
雪崩には大きく分けると2つあります。1つは表層雪崩であり、もう1つは全層雪崩です。表層雪崩は、古い雪の上に積もった新しい雪が滑り落ちたもので、気温が低く、降雪が続くときに起きやすいです。
全層雪崩は、雪と地面との間にザラメのような雪の層ができたり、雨や雪解け水が流れて間が緩くなり、そのままずり落ちてきたりする現象です。これは暖かくなってきた春先によく起こります。
雪崩の速さは、表層雪崩だと時速100キロから200キロ、全層雪崩だと40キロから80キロと言われています。私たちの歩く速度は大体時速5キロ程度ですので、その速さがよく分かるでしょう。そのため、できる限り雪崩には遭遇しないようにするべきです。
《雪崩の前兆》
山の方を見て雪面に亀裂があったり、シワがあったりするときは雪崩の危険が高まっています。クラックと呼ばれる雪の裂け目が見られることもあり、あるいは斜面から雪玉が転がってくることもあるでしょう。このようなときも雪崩に巻き込まれる危険性があるので、このような場所を見つけたときには、すぐにその場を離れましょう。
《万が一雪崩に遭ってしまったら》
雪崩に遭ったら、下には逃げないで横に逃げましょう。雪崩はある程度の幅を持って下に落ちていくので、横に移動して雪崩の幅を避けることができれば、巻き込まれなくて済みます。
もし巻き込まれたら、泳ぐようにして浮上し、止まってしまったら手で口の前に空間を作ります。
雪に埋もれてしまったら、喉の気道を確保するために、口に入った雪を吐き出し、大声で人を呼びましょう。ともあれ多くの場合、雪崩に遭うのは立ち入り禁止区域に侵入した時が多くなっています。そのため、決して入ってはいけない場所には入らないことです。そして、雪崩の危険がある日や、その危険の高い場所には行かないことが大切です。
天気予報やスキー場の公式サイトをチェックする
スキー場は公式サイトを開設しているところも多いので、出かける前に必ずこのスキー 情報をチェックすることが重要です。
また、天気予報もチェックしましょう。雨の場合や大雪の場合もあり、コンディションに合わせて装備を変更する必要があります。
もし相当に悪天候だったり、スキー場のコンディションが悪い場合は、無理をして行くことはありません。中止をしたほうが無難です。コンディションが良い時に行った方がより楽しく過ごすことができます。
一部の天気予報の専門サイトでは、全国のスキー場ごとにピンポイント情報を見ることができます。積雪情報や滑走の可否なども見ることができるので、確認してみてください。
晴天率が高いスキー場について
天気はスキー場によって違い、好天に恵まれるところもたくさんあります。そんな天候についてスキー 情報としてまとめてみました。
菅平高原スノーリゾート(長野県)
ここはコース数が60、リフトも19本あり、晴天率が高いゲレンデとして有名です。標高が高いので雪質もよく、関東にも近いゲレンデです。駐車場は無料であり、ツアーバスやマイカー、新幹線でも行けます。
白樺湖ロイヤルヒル(長野県)
同じ長野県にあるこのスキー場は、晴天率が80%であり、ほとんど雨が降りません。コース数は10でリフトは3本、菅平高原スノーリゾートに比べると小さくなりますが、初級、中級、上級者向けのコースがバランスよく配置されているので、誰でも楽しむことができ、ゲレンデから白樺湖を見渡すことができます。
軽井沢スノーパーク(群馬県)
晴天率がなんと90%なのがこのスキー場です。初級者用のコースが60%もあり、初めての人にも優しいコースになっています。コースは6コースで、スキーやスノボデビューにはぴったりです。
まとめ
スキーやスノボにとって一番重要なのは、スキー 情報とゲレンデの状態です。ゲレンデの状態は天候によって変化します。だからこそ、計画を立てたら天気予報に注意し、当日のスキー場の情報をいち早く知っておくようにしましょう。天気の行方によっては当初の計画を変更して、より晴天率の高いゲレンデに変更することも大切です。晴天率の高いゲレンデなら、雨や雪を避けられる可能性が高くなります。