冬期は積雪のために、奥日光へと向かうルートの金精峠が通行止めとなる国道120号線。その通行止めのすぐ手前に位置しているのが丸沼高原スキー場です。首都圏からは関越練馬ICから160km強。スキー場として大きなスケールがありながら、都心から3時間前後でアクセスできる至近なロケーションが魅力です。
ゲレンデはリフトやロープウェイなど十分な輸送能力を備え、初級者向きから超エキスパート御用達の難コースまで斜面のバリエーションが豊富。輸送力のメインとなる日光白根山ロープウェイを利用すれば、連続約4kmの長距離滑走も楽しめます。
また、山麓エリアのセンターステーションにはエスカレーターやエレベーターなどの設備もあり、ゲレンデへのアクセスは楽々。センターステーション内の入浴施設、「座禅温泉」も人気を集めています。
国内有数のパウダースノーを誇るスキー場
日本百名山のひとつでもある日光白根山(2,578m)は、関東以北では最も標高の高い山。丸沼高原スキー場は、その日光白根山の中腹に開かれているためスキー場全体の標高が高く、内陸性の気候とも相まってシーズン中の雪質は水分の少ないサラサラの乾燥粉雪が特徴となっています。その雪質のよさは、北海道や志賀高原に匹敵するほど。また、積雪量も豊富なことから、例年5月上旬頃まで滑ることが可能となっています。
スキー場の入り口は近代的に改装されたセンターステーションで、オリオンツアーのバスはそのエントランスの目の前に到着します。センターステーションでは、①更衣室での着替え→②リフトチケットの購入→③ゲレンデに出る、といった流れがとてもスムーズ。日光白根山ロープウェイの山麓駅もセンターステーションに隣接し、山頂まですぐにアクセスできます。
センターステーションには滑る前に必要な機能がすべて整えられている。スキーやスノーボードをするための基点
日光白根山ロープウェイの山麓駅。センターステーションから歩いてすぐの立地。8人乗りのゴンドラはグラスエリアが広く、乗車中も周辺の眺望が楽しめる
ロープウェイ山頂駅を降りると日光白根山が眼前に! 浅間山や谷川岳の眺望も抜群
センターステーションのある丸沼高原スキー場の山麓エリアは標高1,400mの地点。そこから標高2,000mのスキー場トップに延びる日光白根山ロープウェイの全長は2,500m。8人乗りのゴンドラは15分ほどで山頂駅に到着します。
ゴンドラを降りて駅舎を出ると、日光白根山の迫力に満ちた山容が目の前に迫ってきます。ここはグリーンシーズンの登山ベースでもあり、付近には二荒山神社が鎮座。滑る前に参拝し、スキーやスノーボードの安全祈願などしてみてはいかがでしょうか?
山頂駅周辺は、広いスペースに展望台や足湯施設(冬期は不使用)があり、天気がよければ浅間山や草津白根山、谷川岳、武尊山、至仏山といった上信越の名峰の眺望が楽しめます。
山頂エリアから望む日光白根山。活火山ゆえに、山頂中央には溶岩ドームが見える
二荒山神社の赤い鳥居が雪に映える。山は神聖なところであり、やはりお参りはしておきたい
広々としたスペースの展望台が備えられている。案内板があるので、それぞれの山名を確認しながら眺望が楽しめる
4kmのダイナミックなロングダウンヒルは丸沼高原スキー場の大きな魅力
日光白根山ロープウェイの山頂駅から下るコースは、中・上級向きの「しらねコース」(560m)と初・中級向きの「からくらコース」(1,100m)の2本。
「からくらコース」は下部で「ローズコース」(迂回路を含めて2,038m)と連結し、そこからさらに「グリーンコース」(675m)や「イエローコース」(400m)などを連続的に滑り続けていけば、山麓エリアまでトータルで4,000mを超す長距離滑走が可能となります。
「ローズコース」の中間あたりで斜度が少々キツくなる部分がありますが、それ以外のルートは全般的になだらかな斜面。プルークボーゲンなどでしっかりスピードコントロールできる技術さえあれば、初級者でも爽快な長距離滑走が満喫できるでしょう。
「しらねコース」は、途中から最大斜度32度の「シルバーコース」(上級者向き)に向かうことができるので、チャレンジ意欲旺盛な人はぜひアタックを。「しらねコース」には、急斜面を避けてそのまま「からくらコース」に合流するルートも用意されています。
山頂駅直下のコース。ここから少し下ると「からくらコース」と「しらねコース」の分岐点がある
わかりやすいコース案内。「しらね・ゴールドコース」はブラックダイヤモンド(上級向き)。初・中級者は迷い込まないようにご注意を
「からくらコース」の上部は緩やかな斜度。コース幅も広く滑りやすい
「からくらコース」との分岐点を過ぎた直後の「しらねコース」。少し斜度があって中級者向きのレベル
「からくらコース」から「ローズコース」へ。幅広で緩やかなうねりのある快適な斜面が続く
「しらねコース」を途中から右に折れると、そこから「シルバーコース」に。最大斜度が32度もある難コースなので、さすがにチャレンジする人は多くない
「シルバーコース」を下った先は、緩やかな「コバルトコース」になる。ここはスキー場の中腹やや上部に位置し、のどかで滑りやすい
ゲレンデやコースのバリエーションが多彩。技術レベルを問わず誰もが楽しめる
丸沼高原スキー場の上部は中・上級向きコースの比率が高めですが、中腹から下部にかけて斜度は比較的緩やかに。山麓エリアは横方向にもワイドに開発され、初・中級者向きのバーンが多くなっていきます。
スキー場のちょうど中央部に位置する中級者向きの「バイオレットコース」(最大斜度23度、平均13度、全長621m)は幅広でよく整備され、スピードに乗ったロングターンによる快適なクルージングが楽しめます。
初級者やファミリーにオススメなのは、センターステーション前の「イエローコース」(最大斜度13度、平均9度、全長400m)やシャレー丸沼の前の「ブルーコース」(最大斜度13度、平均9度、全長648m)、向かって一番左側の林間に切り開かれている「レッドコース」(最大斜度11度、平均8度、全長865m)。
これらのコースがある山麓エリアはフレンドリーエリアとも呼ばれ、スキーやスノーボードに入門しようというビギナーの練習バーンとしても好適です。
「バイオレットコース」は“キツ過ぎず・ユル過ぎず”の快適な斜面。第5リフトが斜面に沿って架けられているので、リフトを使って繰り返し滑りたくなるはず
センターステーション正面、中央リフト両側の斜面が「イエローコース」。きれいに整備され、初級者が安心して滑れる環境
「ブルーコース」は斜度変化のないワイドで緩やかな一枚バーン。技術レベルに関わらず基礎練習などをするのに好適な斜面
「レッドコース」は865mと比較的長めのコース。幅広の林間コースは中央の喧騒から離れ、静かでのどかな雰囲気
スキー場中腹の左端、「オレンジコース」の上部にはパークエリアが用意されている。キッカーやレール、ボックスなどアイテムが豊富
山麓にも、ゲレンデの中にも、レストハウスの施設が多数用意されている
ゲレンデ内で食事や休憩できるスポットは全部で4カ所。まず、山麓エリアにはセンターステーション内の「レストランプラトー」(240席)と「高原の駅丸沼」(170席)が。ゲレンデの中腹には「レストランとんふぁん」(530席)、そして日光白根山ロープウェイ山頂駅に「山頂レストランしらね」(50席)があります。
丸沼高原スキー場はエリアが広いこともあり、わざわざ山麓まで滑り降りて行かなくても山頂やゲレンデ中腹で食事や休憩ができる便利さを感じられるでしょう。
今回、取材チームはセンターステーション内の「レストランプラトー」でランチをいただくことに。ここにはヒレカツカレーやハンバーグセット、ミートカツパスタなどの洋食系から、ローストビーフ丼、ソースカツ丼、豚バラ焼肉丼など、お腹にたまるボリュームたっぷりメニューがいろいろ。また、チョコレートケーキやレアクリームチーズケーキなどのデザートメニュー、ビールのおつまみにもなるサイドメニューも充実しています。
センターステーション内の「レストランプラトー」は、丸沼高原スキー場のメインレストラン
山麓の中央リフトを降りた先、ゲレンデ中腹に位置するのは「レストランとんふぁん」。ザンギ定食や田舎ラーメンが人気。530席もある巨大レストランで、多くのスキーヤー&スノーボーダーがここを利用している
「山頂レストランしらね」は、山頂エリアで食事や休憩ができるスポット。絶景を愛でながらのティータイムをこちらでぜひ! ナンで食べる本格カレーも好評
「レストランプラトー」の「ホルモンソーセージミートスパゲッティ」(1,250円)。ボリュームあるソーセージをひと噛みすると、口の中に肉汁がほとばしる
同じく「レストランプラトー」の「チキンの香草焼き」(1,250円)。甘みと塩味を感じる味付けが人気の秘訣
充実した設備を誇るセンターステーション。併設の「座禅温泉」でくつろぐことも!
センターステーションの1Fに設備されているのは、スノー用品の品ぞろえが豊富なショップやドリンクコーナー、ロッカー付きの更衣室、多機能トイレなど。エスカレーターやエレベーターを利用して2Fに上がると、ロープウェイのチケット売り場をはじめ、キッズスペースや無料休憩スペースが用意されています。
また、2Fチケット売り場の横には日帰りで利用できる入浴施設の「座禅温泉」(サウナ完備)が併設されているので、滑るのを少し早めに切り上げて温泉でゆっくりくつろぐ、という楽しみ方もできるでしょう。
1Fのショップでは“mont-bell”などブランドスノーウェアを販売。ゴーグル、サングラス、グローブほか、小物のスノー用品も充実
1Fの一角にはイートインスペースが併設されているドリンクやスイーツの売店も
チケットカウンターは、センターステーション2Fのゲレンデ出口のすぐそば。リフトチケットはICカード方式
センターステーション内には無料の休憩施設、キッズスペースなどが完備され、小さな子ども連れのファミリーも安心
入浴施設の「座禅温泉」は、丸沼高原スキー場の目玉施設。泉質はナトリウム、カルシウム、硫酸塩・炭酸水素塩など。温泉は冷えた体を温め、酷使した筋肉をほぐしてくれる
浴室内にはサウナも完備されている
【まとめ】近場なのに雪質もコースも文句なし。誰もが大満足できるスキー場
オリオンツアーの丸沼高原スキー場プランは、朝発のバスによる日帰りのスケジュール。都内からは新宿、池袋、立川発、また埼玉県からは川越、所沢から出発するプランが用意されています。
規模が大きく、極上パウダーのロングコースが楽しめるようなスキー場なのに、首都圏からすぐアクセスできるロケーションが大きな魅力。帰り際に温泉でゆったりできる施設も整っており、満点の充実度。技術レベルを問わず多くの人に丸沼高原スキー場はオススメです。
<基本情報>
所在地:〒378-0497 群馬県利根郡片品村東小川4658-58
標高:1,400m〜2,000m
コース数:20本
最大斜度:32度(シルバーコース)
最長滑走距離:4,000m
リフト数:9本(ロープウェイ含む)
公式Webサイト:https://www.marunuma.jp/winter/