スキー場へ車で行くために必要な事や注意が必要な点は色々ある

スキー 運転

スキー・スノボ豆知識

スキー場へ行くまでの交通手段は、出発地とゲレンデとの位置関係によってマイカーやツアーバスなど様々なものがあります。その中でも自家用車による移動は自由度が高い反面、冬道を走ったことのないドライバーにとっては不安もあるでしょう。車でスキーに出かける際に、気をつけるべき点を学んでいきましょう。

自由度が高い!車でスキー場に行くメリットは?

スキー場へ行くならどの交通手段が安心かまたは快適かというのは人それぞれですが、車は電車やバスに比べて自由度の高さが魅力です。
時間の心配もありませんし、寄り道も自由です。予め渋滞が予測されるのでしたら出発を前倒しできますし、ナイトスキーができるのなら十分楽しめます。荷物も気にせず積むことができます。大勢で大きな車を借りればそれだけ交通費も頭割りで安くなります。ただし運転手は雪道運転で疲れるので、運転してくれる人にはお礼をしましょう。できれば慣れた人が運転するか、交代で順番に運転をするのも良いでしょう。車で行きやすいことを考慮してスキー場を選ぶのも良いでしょう。

車で雪道を走るために必要な持ち物

スキー場 雪道
スキー場に車で向かう際には、雪道を必ず走ることになります。そのために、必要な持ち物がいくつかあることも覚えておきましょう。

雪を払うためのブラシ

スキーから帰ってくると車に雪が積もっていることはよくあります。まずは雪を除けなければいけません。最低でも3面使用できるものを選び、車の上のブラシ、窓の氷はゴムワイパー、フロントガラスはエンジンを掛けて温めてからプラスチック部分のスクレーバーを使用します。

タイヤチェーン

多くのスキー場は山の高いところにあるため、路面が凍結してスタッドレスタイヤでも走行が危ういこともあります。上り坂で立ち往生してしまわないためにもタイヤチェーンは積んでおくと良いでしょう。

ブースターケーブルと牽引用ロープ

いざというときに、力を貸してもらうためにも用意しておきましょう。気温が低い状態ではバッテリーが上がりやすくなりますし、自分がスタックしたり、スタックした車を見つけるのもよくあることですので、お互い助け合えるように用意しておくことをおすすめします。特にブースターケーブルは長く使える上夏場でも必要になる可能性が高いものですので、多少値が張っても良いものを選びましょう。

解氷スプレー

車が雪だるまになることは先程も話しましたが、そのときには鍵穴やドアも凍りついています。無理に氷を割ろうとするとドアを歪ませてしまいます。予め解氷スプレーを吹きかけておくことで、凍結を防ぎます。最近はインテリジェントキーで鍵穴がない場合もありますが、ドアが凍りつくのは一緒ですので忘れないようにやはり注意が必要です。

ライト

ナイトスキーや朝早い出発などで、夜中に車を走らせてトラブルに成ることも忘れてはいけません。そのためにもライトは必ず用意しておきましょう。作業に両手を使う上雪が溶けて隙間に入り込むこともありますので防水タイプのヘッドライトが良いでしょう。

スコップとジャッキ

スキー場の中には豪雪地帯の中にあるところもあり、車が雪だるまなら良い方、ひどいときには駐車場の見分けがつかないこともあります。そんなときのためにも用意しておくと良いです。あとタイヤ交換やチェーンを付けるときのためのジャッキが有ればひとまず大丈夫です。

走り出す前の事前準備

雪道を走るときはその計画段階から準備が必要になります。雪道は視界が悪く、スピードが出せません。必然的にすべての車が夏の路面よりもゆっくりと運転をせざるを得ません。普通の路面を走るときよりも時間的に余裕を持って計画を立てましょう。道路の選定も必要になります。カーナビで調べていた場合時間を短縮するために裏道を通ることもありますが、冬場の裏道は雪をただ押しのけただけの道である場合が多く、残った雪山が障害となって道幅が極端に狭くなります。ですので事前に裏道を通らない幹線道路のみで作られるマップが必要となります。

そしてタイヤもスタッドレスに履き替えましょう。オールシーズンタイヤだから大丈夫という過信は禁物です。オールシーズンタイヤは突発的に都会に降った雪には対処できますが完璧に雪道に対処できるというわけではありません。また、履き替えが面倒だからとスタッドレスを夏に履き続けるのもおすすめできません。夏の暑さにスタッドレスタイヤがダメージを受けてしまい、事故の危険性が高まります。既設や路面に合わせてタイヤを履き替えるのが一番安全なのです。

また、走り出す前に車に積もっている雪を全部落とします。屋根に乗っている雪も残らずです。ボンネットなどに残っている雪は直接視界を妨げますし、屋根に乗っている雪も溶けて動きやすくなり、軽くブレーキを踏んだだけでもフロントガラスになだれ込んできます。危険が及ぶため、車の雪を全部落としておきます。

そして体についた雪も全部落とします。服や帽子についた雪は溶けて不快な思いをしますし、靴についた雪はペダルを踏むときにクッションとなってワンテンポ遅らせます。このワンテンポは運転にとっては致命的で注意してゆっくり踏んだブレーキも急ブレーキとなり、思わぬ事故を呼び起こしかねません。また、靴の裏の雪が凍ったときは踏み込んだときに滑ってしまい急ブレーキも間に合わなくなります。

実際に雪道を走行する

スキー 車
車の通っていない道路で急発進や急ブレーキを行ってみてホイールがスピンする具合、タイヤがスリップする具合を確認しておきます。これはいざという時に自分の身を助けることになりますのでなるべく早めに感覚を把握しておくことが大事です。

前の車との車間距離は2倍位は開けておきましょう。急ブレーキをしてみてわかることですが車は思った以上に止まりません。安全を保つためにも、車間距離は十分に開けて相手が急ブレーキをしたときの追突や後ろの車が突っ込んできたときのもらい事故を十分に警戒しましょう。そしてブレーキを多用してはいけません。ブレーキはタイヤをロックする危険があるものと常に心がけエンジンブレーキを中心にスピードを調整します。

幹線道路では道路の氷を溶かすために塩化カルシウムを撒いています。塩化カルシウムは金属と結合すると強烈な酸化が発生し、車体やホイールを錆びさせますので雪道を走行したあとはなるべく早めの洗車をおすすめします。

どんな路面状況でも油断ができないポイントがあります

雪道は全体が危険なポイントとも言えますが、その中でも特に危険なポイントがいくつかあります。
まず交差点はどの車も必ず停車、発信、加速を行います。そのたびに道路の雪は溶けて固まり氷となるため交差点の入り口はいつもカチカチに固まっています。交差点では早めの対応を心がけ、停止線の手前で停止、青信号になったらゆっくりと発信を心がけましょう。

坂道は大体上り坂では発進できない、下り坂では停車できないものと心がけてください。凍った路面ではスリップする可能性が大いにあります。上り坂は勢いをつけて登り切る、下り坂はいつでも止まれるスピードでアクセルを緩める、エンジンブレーキがかかるようにギアを変更する、これくらいの心がけでいてください。カーブ途中の速度操作は基本的にやめておきましょう。カーブ途中は前後以外にも遠心力という力が働きます。カーブの途中に速度を変化させると遠心力とその力が加わってしまいます。

カーブ前でしっかり減速、カーブを抜けてからアクセルをしっかりと徹底してください。最も危険な場所はトンネルの出入り口と橋の上です。トンネルの出入り口はトンネル内の温度差から、橋の上は川を渡る冷風で絶えず凍っている可能性が高いです。実際にアスファルトが見える路面であっても、ブラックアイスバーンとなっていることが多くてとても危険です。

積雪状況でも走り方は変わってきます

雪道を走る場合でも積雪状況によって走り方は異なってきます。

まず新雪が積もった状態ですが、このときは車線表示は全く見えません。普通に走っていても、道の真ん中だったり路肩に突っ込んでしまうというのはよくあることです。なるべく前の車が端道を謎利用にして走りましょう。わかりづらくてもタイヤの感覚で轍が分かる場合があります。

突風が吹く場合は、行きを巻き上げてホワイトアウト状態になって前の車が全く見えなくなる場合があります。普段の雪道よりも速度を落として、なにか見えたらすぐにブレーキを踏めるようにしましょう。雪道で最も多い圧雪は、見晴らし的には強風が吹いてもさほど問題はありませんが、とにかくブレーキは効きません。スタッドレスでもブレーキが間に合わない場合が多くありますのでスピードを緩めるかタイヤチェーンを装着するなど更に気をつける必要があります。

一見してアスファルトの見える黒い道路は、ブラックアイスバーンと言って番危険な路面状態です。アスファルトだと思ってアクセルを踏むと高確率でスピンします。この道路の場合は油断をせずにきちんとい速度を落とし、安全に走れるスピードで走行をしてください。

いつもどおりの駐車方法ではトラブルになる可能性もあります

ゲレンデなどで車を駐車する際、駐車する場所や車の向きにも注意が必要です。
雪は、屋根の上にも平等に積もり、屋根の雪は建物が温まると下に落ちるよう雪国では設計されています。屋根の雪の重さで建物が潰れてしまうための工夫ですが、もしその下に何か物があったらどうなるでしょう。ふかふかの雪だからと甘く見てはいけません。その重さで車が破損することもあり得ますので、建物の近くには駐車しないようにしましょう。
また、吹雪が車に張り付いて凍結することを考えると風下に運転席のドアを向けると凍りつかずにスムーズにドアが開けられます。
そしてフロントガラスのワイパーは必ず立てるようにしましょう。車が積もったときに重さでワイパーが歪むのとともに、ワイパーを巻き込んでフロントガラスが凍結すると引き剥がしたときにゴムがちぎれてしまいます。
サイドブレーキは、夜間は特に使用しないでください。日中であってもサイドブレーキを引いたまま放置するとブレーキが凍りついてしまい、タイヤがロックされた状態で固定されることもあり得ます。オートマ車の場合はパーキング、マニュアル車の場合は下り坂ならリバース、その他は1速にギアを入れてストッパーを使用すればエンジンを切っていても動き出すことはありませんので安心してください。

雪道を走るときにはエアコンの設定も大切です

雪道 運転

暖房中の車中で自分の方に温風を送りたくなる気持ちにもなるでしょう。ですが、車のエアコンは窓を温めるものと予め考えておきましょう。

人が発散する蒸気によって車内は通常より湿度が高くなります、その上窓のガラスは閉めて外気に触れていますのでとても冷たいです。フロントガラスが結露して何もしないとあっという間に曇ってしまいます。

結露防止のため、エアコンの送風方向をフロントガラスに向けて窓を温めます。送風方向をフロントガラスにすればサイドミラーが見える位置にも温風が当たりますのでそこも曇りが取れます。リアに関しては寒冷地用の車にはリアガラスに温熱線が仕込まれていますのでリヤデフォッガーのスイッチをオンすれば徐々に曇りが溶けてゆきます。それでもまだ曇りが取れない場合には一旦停止し、車内の空気を入れ替えて湿度を下げる特盛が取れやすくなります。

フロントガラスの内側が凍ってスクレーパーで取れない場合は、温めて削るよりも解氷スプレーを掛けて溶かしたほうがきれいに溶けます。凍結の予防にもなりますので、解氷スプレーを使用しましょう。

雪道では何でもないようなくぼみにタイヤを取られることがあります

長年雪道を走り続けた人や前の車の後を走った場合でも、くぼみにタイヤを取られてスタックしてしまうことは少なくありません。

タイヤが空回りしたら、むやみにアクセルを吹かしても解決はしません。一旦降りて、まずはタイヤの周りの雪をスコップで掻き出します。粉になっている部分をあらかた取り除いたら車に戻り、ゆっくりと前進後退を繰り返して振り子の要領で脱出します。

それでもタイヤがスリップするようであれば緊急脱出用のスノーヘルパーや毛布、チェーンなど滑りにくいものをタイヤの接地面まで押し込んで摩擦を確保し、ゆっくりと前進して脱出します。このときの注意ですが、挟み込んだものは脱出する際に勢いをつけて後方に飛ばされますので、予め後方に人や走っている車がないか確認します。

それでも駄目な場合は牽引ロープで引っ張り上げてもらうことになります。牽引ロープがない場合やロープをどこに引っ掛ければよいかわからない場合もありますので、JAFや加入している任意保険のロードサービスなどプロにお願いするのが一番確実かつ無難な方法です。

気候によっては前が何も見えなくなる場合がある

車でゲレンデに向かうときは、山間部を通ることが多いです。その山間部には冷たい空気や細かな雪が溜まりやすく、濃い霧や地吹雪など、前が殆ど見えない状態で走ることも想定できます。

まず視界が遮られる路面状況では、センターラインを判別することは難しいです。ですのでスピードは抑えめにして、センターラインよりも左側にある路肩表示のポールやガードレールなどを目安にします。複数車線が有っても、なるべく左車線を走るようにしましょう。また、前方の車を追いかけて走る際は相手の急ブレーキを注意し、なるべく車間距離を開けるようにしましょう。

視界が悪い状態でのハイビームは厳禁です。視界が悪いということは視界を遮る細かなものが濃く漂っている状態ですので、ハイビームにすると乱反射を起こし、視界を奪われます。

吹雪のとき以外でもトンネルの出入り口や橋の上は強い横風に煽られます。そういった路面はかなり厳しく凍結していることがありますのでスピードを十分に落とし、風で流されてもすぐに元の斜線に戻れるようにして慎重にハンドルを動かします。こういった路面での急なハンドル操作は、かえってスリップの原因になりますので気をつけましょう。

まとめ

このように、初心者にとっては注意することだらけの雪道ですが、基本のポイントさえ抑えておけば油断しない限り運転は簡単にできます。
もちろんスタッドレスタイヤは必須で、急のつく運転は厳禁です。順調にスキー場に到着しますのでぜひスキーを思い切り楽しんでください。

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