スキー場では思わぬアクシデントやさまざまなトラブルが発生します。たとえばスノボとビンディングを結ぶストラップが切れてしまうなど、よくあるトラブルとして知られています。
万が一このような状況に見舞われたら何をすべきか?今回はその対処法をご紹介します。
ビンディングって?
ビンディングとは人によってはバインディングと発音する人もいますが、これらの違いは、バインディングは英語読みであり、ビンディングは英語とドイツ語の混同により発生した言葉です。ここでは便宜上、良く使用されているビンディングに統一して話を進めます。
さて、ビンディングは、スノボのブーツとボードを繋いでいる器具のことを指します。これにはいくつかの種類があります。まず、ストラップ型です。これは一般的に良く使われている型で、ストラップを使ってブーツのつま先側と足首を固定するタイプのものです。取り付け方は、ブーツをビンディングにはめ、ストラップを固定したいところで仮締めし、ラチェットを使って更にきつく締めます。メリットとしてはしっかりと足をホールドしてくれる反面、デメリットは取り付けるのに時間がかかり、使い慣れるまでは少し厄介だという点です。
リアエントリーシステムというものもあります。これはハイバック側から足を入れて、指定の位置までブーツを入れます。その後、ハイバックを上げれば完了です。都度座らなくても固定できるので、時間が短縮できるのがメリットです。デメリットとしては、ブーツの裏やビンディングに雪がついていたりすると、きちんと固定できないことがあり、場合によっては滑降中に外れてしまうこともあるので、注意が必要です。また、ビンディング自体が少し重くなります。
ステップインシステムは、ブーツをはめ込むだけで固定できるタイプです。このタイプのメリットは、短時間で固定できる点です。ただ、ブーツとボードの間に少し隙間があることと、滑っている時の固定力があまり強くないので、転び方によってはすぐに外れてしまいます。以前はこのタイプのものは人気があり、初心者が良く使用していましたし、量販店などでも推奨されていましたが、現在はあまり見かけなくなっています。ステップオンシステムというのもあります。これはストラップタイプ、クイックエントリーシステム、ステップインシステムの良いところだけを取ったようなシステムで、ブーツを固定する力が強く、しかも簡単な上に短時間で取り付けることができます。ただし、このシステム専用のブーツが必要になりますし、高価なところが難点です。
ビンディングの壊れ方、起きやすいトラブル
ビンディングに限らず、多くの器具は消耗品です。それゆえに壊れたり、トラブルが起こることもあります。まず、一般的に多いトラブルとしては、ボードと固定している場所のネジが緩むことです。この緩みは、滑降中に外れてしまうというような思わぬ事故を引き起こすことがありますから、必ずきちんと締まっているかどうか確認しておかなければなりません。次に多いのが、ストラップが切れることです。これは意外に多いトラブルで、多くの人が経験しています。ストラップタイプの場合、ブーツを固定するストラップがつま先側と足首側にありますが、このストラップが何かの理由により切れてしまうのです。これは滑降中に大きな重圧がかかってそれに耐えきれず切れる場合や、劣化によって切れる場合があります。ストラップは消耗品でもありますから、当然、経年劣化が発生するわけです。ですからストラップのような消耗品は予備を用意しておくと良いでしょう。
ビンディング自体が壊れてしまうこともあります。これも経年劣化が原因の一つと考えられます。それではどの程度で劣化するのでしょうか。使用頻度や使い方でも変わってきますが、通常では5年と言われています。相当使い込んでいるのであれば、もう少し早く交換を検討した方が良いかも知れません。
修理はスキー場でできるの?
スキー場でスノボのトラブルに見舞われた時に、スキー場で修理はしてもらえるのでしょうか?結論から言えば、修理してくれるスキー場はあります。しかし、修理をしてくれないところもあるので、これは事前に確認しておくべきでしょう。どこでも直してもらえると思って現地へ行ってから、途中で壊れてしまったらせっかくの楽しい時間が台無しになってしまいます。ただし、器具の調整やネジなどのパーツ、交換用のストラップは、大抵の売店に置いてありますので、ストラップが切れたような時にはそこで購入することができます。しかし、これも絶対とは言えませんので、実際に行く前にきちんとスキー場に確認しておいた方が良いでしょう。なお、ビンディングの調整や取り付けをしてくれるところもあります。
多くのスキー場にはメンテナンスコーナーが設置されています。もし、ストラップが切れたり、ネジが緩んだりというトラブルにあった時には、そこでメンテナンスをしましょう。
壊れた時に自分で修理はできる?
ビンディングなどが壊れた時に、自分で修理ができるかといえば、答えはノーでしょう。素人が下手に手出しをすることは、時により大事故に繋がることもあるので注意しなければなりません。ただし、ビンディング自体の取り外しやストラップの交換、ネジの締め直しなどのように簡単なことならば、誰でもできるので覚えておきましょう。
まず、シーズンが終わったら、ビンディングは外しておいた方が良いです。なぜならばそのままにしておくと、ボードが変形する原因となりますし、滑りにくくなってきます。また、ネジが錆びてくると、ビンディング自体が取り外せなくなってしまいます。このネジの取り外しは意外と重要で、これをすることでシーズン前のネジの確認ができるのです。外し方は至って簡単で、足の部分にある4つのネジをマイナスドライバーで外すだけです。ベースプレートを開けてネジを外せば完了です。
ストラップの交換も簡単に行えます。使用する工具はボックスレンチとプラスドライバーです。ネジで留まっているだけなので、ボックスレンチで抑えて、反対側からプラスドライバーで回せば取り外せます。
いざというときに慌てないために
スキー場でスノボのビンディングが壊れて慌てないために、行く前にはきちんとネジの緩みなどを確認しておきましょう。その際、ネジは必ずきちんと締め直してください。また、ストラップの状態の確認も必要です。古いものの時は当然としても、たとえ新しくても切れることはありますので、予備のストラップも持って行くと良いでしょう。
現地に着いたら、メンテナンスコーナーがどこにあるかのチェックも必要です。その際、修理ができるかどうかも確認しましょう。備えあれば憂いなしですから、最低限しておいても損はありません。
まとめ
スキー場でスノボのビンディングが壊れることはよくあることです。大きな事故につながらないようにするためにも、事前のチェックが重要になります。シーズンが始まる前にボードを出して、ネジの緩みがないか、錆びてはいないかなどの確認をしっかりおこなっておきましょう。