スキー初心者が安全に滑るために必要な練習方法とは?

スキー 初心者

スキー・スノボ豆知識

スキーの初心者には、いろいろと練習して身につけなければいけない動作があります。滑り出しから止まること、安全な転倒方法までさまざまです。はじめてリフトに乗るときは、緊張してうまくいかない場合もあります。どんな練習が必要なのかを理解して、自宅でも試してみるのがポイントです。

練習方法1 転倒状態から安全に起き上がる

スキー 転倒
スキーは、転倒することもあるスポーツです。どんな上級者でも、転ばないというわけではありません。転んだときには、起き上がらなければいけませんが、板を装着したままの状態で立ち上がるのは、慣れないと苦労します。
ポイントになるのは、板と自分の身体の位置です。まず自分と身体の位置を近づけて、板を斜面に対して横向きに揃えます。横向きに直角の位置にすれば、斜面に対して抵抗ができるため、滑り出しにくい状態です。このまま体を起こして座りこむようにかがみます。あとは、ストックを使って立ちあがれば簡単です。実際の斜面となると、板の角度によっては簡単に滑り出します。初めのうちは平たんな場所で立ち上がる練習をしておくといいでしょう。何度か繰り返しているうちに、自然と体が覚えていきます。
立ちあがるときには、必ず周囲に注意しましょう。ゲレンデは自分だけのスペースではないため、間違って滑り出したりすれば大きな事故にもつながるからです。

練習方法2 怪我をせずに上手に転ぶ方法

スキー 転び方
転びそうになったら、怪我をしないように自分で体勢をコントロールするのが大切です。無理に身体をひねり、手をついたりすると、強い衝撃を受けます。これが大怪我のもとになるため、無理にかばったりするのではなく、流れに沿って転ぶのが大切です。
転ぶときには、前からではなく、お尻をつくようにするといいでしょう。これだけでも、大きな怪我を防げますし、転んだときにも周囲がはっきりとわかり安全を確認できます。注意点は、板の間にお尻をつくような体勢をとらないことです。板の間に身体が入ると、そのまま板が滑っていってしまいます。危険な状態になるため、必ず斜め後ろに転ぶように練習しましょう。これで板が雪面で滑りにくい体勢となり、そのまま止まれます。

練習方法3 平らなところで歩く練習

スキー 歩き方
初心者のときには、滑るよりも歩く練習が大切です。ギアに慣れるという意味もありますし、なによりも歩けなければ、先に進めずリフトにも乗れません。
歩く練習をするのは、板があるだけでどのような違いがあるのか、体で覚えるためです。思っている以上に重く感じたりしますが、勝手が全く違います。
はじめのうちは、どんなに力を入れてもなかなか前に進まないと感じるはずです。ストックを自分よりも前にさすと、それだけ力を使うだけではなく、強い抵抗を感じます。ストックは真横に刺すようにして、身体を前に倒してみると楽に進めるでしょう。これを左右交互でおこなえば、自然と進んでいきます。
無駄な力が入ると、進まないだけではなく疲労も高まるため、力の使い方を覚えるためにも歩く練習がスキーの基本です。前に歩ければ、止まる練習にもつながっていくので、滑るための第一歩になります。

練習方法4 前に進む力を止める練習

スキー 止まり方
スキーは雪面の上を滑るように進みます。前に進む力がかかりますが、この力を止められると止まるのが基本原理です。つまり、前に進んでいるのは摩擦が少なく分散されているためで、滑りにくい状態を作れば自然と止まります。板にはエッジと呼ばれる金属パーツがついているので、これを利用して抵抗を高めて止まるのが基本です。
止まる方法はいろいろとありますが、基本は板を八の字にするボーゲンです。板が漢字の八に見えます。左右の板の内側にあるエッジを効かせて、抵抗を与えるのがポイントです。板の前方を狭めて後方を開く姿勢にして、スピードを確実に落とします。ただし、これでもスピードは上がりにくいだけで出ないわけではありません。板に対する雪面抵抗が大きいため、思っているより足に負担がかかります。初心者のころは、両足の内側に意識を集中させながらやってみるといいでしょう。

練習方法5 斜面を上がっていく練習(カニ歩き)

スキー 斜面
スキーには上級者になっても必要な基本動作がいくつもあります。カニ歩きも大切な基本動作です。
ゲレンデの斜面を上がりたいと思ったとき、板を斜面に直角に向ければ、上るどころか滑り落ちてしまいます。そこで、雪面抵抗を掛けていく必要が出てきます。カニ歩きと呼ばれるのは、正面ではなく、横に歩いていく方法だからです。斜面に対して直角に向き、板を平行にします。このまま、山側の足を上に平行移動します。このときに大切なのは、エッジを雪面に効かせる感覚です。雪面に引っかかるようにすれば、滑り落ちません。次に谷側の足を平行移動します。この動作を繰り返すと、自然と斜面を登れる簡単な方法です。
力を入れて移動するのではなく、交互にエッジを効かせていくだけなので、負担が少なく、左右の順番だけ意識すれば、だれでもできるのがカニ歩きです。斜面を登るという意味では、上級者でも使うことがある方法のため、しっかりと覚えておきましょう。

練習方法6 安全で確実にリフトに乗るための練習

スキー リフト
一般的なスキー場では、ゲレンデを滑るために、リフトに乗って山頂方向へと向かっていきます。ゴンドラもありますが、基本になるのはリフトです。問題になるのは止まってもらえるわけではない点です。動いている間に乗るのが、初心者には最初のハードルになるでしょう。
まずはリフトに並び、係員の指示に従います。自分勝手に行動すると、リフトを止める事態も発生し、ほかの人にも迷惑をかけるので絶対にしてはいけません。指示されたタイミングでリフトに乗れるように目印となる場所まで進みます。位置についたらストックのストラップを手から外し、片手にまとめて持つのが決まりです。リフトのほうが自分に向かって動いてくるため、自然と腰かけられます。乗りこんだら、セーフティーバーを下して、落ちないように安全に注意しましょう。
降り場が近づいたら、セーフティーバーをあげます。板が雪面に接したらそのまま立ち上がり、リフトの進行速度を使って斜面を滑ってまっすぐに降ります。後ろから次の利用者がくるため、邪魔にならないようにするのがマナーです。

まとめ

スキーには、イメージトレーニングも必要です。自宅で転んだ時や立ち上がるときの練習をしてみるといいでしょう。ターンもイメージがしっかりとしていれば、身体が自然に動くようになります。初心者にとって基本の動作は必ず覚えなければいけないので、自宅で練習しておくと、ゲレンデに出たときに役立ちます。

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