スキー場を選ぶ際に難易度や滑れる時間の長さ、アクセスの良さなどで選ぶ方もいますが、やはり滑っている時に見える景色が良いとより楽しめるものです。そこで、山頂からの景色が素晴らしいところや、滑っている時に雄大な景色が眺められるところをご案内します。
山頂からの圧巻の景色:<白馬八方尾根スキー場(長野県)>
北アルプスの稜線を利用して作られた白馬八方尾根スキー場は日本を代表するスキー場で、標高1,830メートルの山頂から広がる雄大な景色には数多くのコースが用意されています。
こちらのスキー場の最大滑走距離は約8,000メートルで、上級者向けと思われがちですが、コースの中にはなだらかなところも多くあります。急斜面のところにも迂回路が設けられているので、初心者でも安心です。
それでもコースの多さにどこを滑ろうか悩んだら、最も眺めの良い咲花北尾根クアッドリフトを含む咲花デビューチケットをおすすめします。
稜線を眺めることができる咲花北尾根のクアッドリフトには観光専用のVIEWチケットも発売されているので、眼下に広がる広大な景色や北尾根高原テラス内のイタリアンレストランで食事を楽しむこともできます。滑り疲れたときの一休みにおすすめです。なおレストランは当日席があいていれば予約無しでもご利用できますが、電話予約をしておくとより確実です。
山頂から一気に滑り降りる全長約4キロのロングダウンヒル:<石打丸山スキー場(新潟県)>
上越線沿線でも老舗のスキー場の一つである石打丸山スキー場には3つのエリアが存在しますが、山頂まで進める中央口からの景色がおすすめです。山頂エリアからはGALA湯沢スキー場や湯沢高原スキー場ともつながっていて、それぞれ違った景色を楽しめます。そのうえ18年冬より6人乗りリフトとゴンドラのサンライズエクスプレスが稼働したので、ますます機動力が向上しています。
山頂からは麓のゲレンデまで約4キロのロングダウンヒルが楽しめますし、中腹の銀座ゲレンデからは幅が広く、気持ちよく滑れるくらいの傾斜になっているため、ゆったりと滑ることもできます。
また、このエリアには古くからのロッジや食事処も軒を連ねているので、ちょっとした休憩などにも便利です。
サンライズエクスプレスから観光第3エクスプレス、山頂高速リフトと乗り継ぐと眼前に豊かな景色が広がる山頂エリアの頂上です。標高910メートルの頂上から眺める景色は素晴らしく、眼下に広がる魚沼平野や彼方に広がる越後三山が一望できます。ここからのコースは上級者向けの最大斜度35度のコースですが、初心者向けのメルヘンコースも用意されているので安心です。
サンライズエクスプレスのオリバ付近にあるオーストリアスノーハウスでは、オーストリアとの友好150周年の記念事業の一環として、本場オーストリアの食事メニューや珍しいお菓子などを販売しています。
夜にはライトアップもされる樹氷:<山形蔵王温泉スキー場(山形県)>
出典:樹氷のご案内 – 山形蔵王温泉スキー場ガイド|蔵王索道協会
山形蔵王温泉スキー場のイチオシの景色といえば、何と言っても山頂から広がる樹氷の林でしょう。山頂までは直通のロープウェイで行けますので観光でも訪れることができますし、連なる樹氷を眺めながら滑走を行うことも可能です。
樹氷原コースは初心者や中級者に向けた滑りやすいコースとなっているので、絶景の横をゆったりと滑走できます。夜間にはライトアップした景色も眺めることができ、幻想的な雰囲気はアメリカのテレビ局による日本の最も美しい場所31選に選ばれるほど、海外からも評価を受けています。
ロープウェイで上から見渡す広大な景色や滑走しながら流れていく樹氷の景色、夜ライトアップされた中で樹氷高原から見渡す景色と、様々な表情を見せてくれるスキー場です。
山頂のテラスから見渡す雲海の大パノラマ:<北志賀竜王スキーパーク(長野県)>
北志賀竜王スキーパークは、麓に展開するバレーゲレンデが比較的緩やかになっていますので、初心者や中級者の方にはおすすめです。設置されているリフトごとに第1から第10までゲレンデが縦横につながっており、バレーゲレンデだけ滑っていてもかなり長い時間楽しめます。
こちらのスキー場に来たらぜひ山頂までロープウェイで登ってみてください。山頂駅を降りてすぐのテラスエリアからは、眼下に雄大な雲海を眺めることができます。ただし、最も雲海ができやすいのは春先や秋口ですので、こればかりは運次第ということになります。テラスエリアにはカフェスペースも隣接していて、景色を眺めながらコーヒーを飲みつつくつろぐこともできます。
なお、山頂駅から滑走する木落しエリアは難易度がかなり高く、かつヘルメット着用が義務付けられています。よほど自信がない限りは帰りもロープウェイを利用することをおすすめします。
冬にのみ見ることのできる幻の五色沼・氷瀑:<グランデコスノーリゾート(福島県)>
福島県のグランデコスノーリゾートは初心者の方でもロープウェイより3,500mのロングコースを滑り切ることができるレインボー3500コース、マックス33度の急斜面を駆け抜ける上級者向けのコースまで、様々揃ったスキー場です。
ゲレンデすぐ横にある裏磐梯グランデコ東急ホテルには温泉をはじめとしたリラクゼーション施設も揃っていますので、スキーで疲れた体を癒やすのにも最適です。
裏磐梯 グランデコ 東急ホテルから車・シャトルバスで15分程度のところには、眺望が素晴らしい五色沼があります。春から秋にかけては四季折々の美しい池を眺めることができるだけでなく、冬になると雪が積もらなければたどり着けない幻の五色沼と呼ばれるスポットもあります。標識がなく個人で行くことは難しいスポットなので、冬限定で開催されるツアーガイドを利用しましょう。
さらに、磐梯山は冬場のトレッキングコースにもなっています。五色沼から車で10分程度、そこからさらにトレッキングで移動し、爆裂火口に黄色い巨大な氷瀑を見ることができます。通称イエローフォールと呼ばれていて、噴火口壁から少しずつ染み出した水が氷ることによってできることから冬にだけ見ることができます。大自然の神秘的な姿を感じられるでしょう。
水しぶきがそのまま凍ったかのようなしぶき氷:<猪苗代スキー場(福島県)>
出典:しぶき氷|郡山市観光協会
福島県の猪苗代スキー場は、比較的初心者向けでナイター営業も行っているいなチューEasyエリアと、中・上級者向けコースまで揃ったミネロCRAZYエリアとに分かれています。どちらも頂上付近には非圧雪のパウダースノーのエリアがあるので、積もりたての新雪や自然のコブを楽しむことができます。
こちらのスキー場では年間会員のシステムを導入しており、初心者向けリフト1箇所乗り放題の他、リフト券が来場するたびにお得になるサービスや各種施設の割引なども実施しています。こちらのサービスはウェブからも登録可能となっており、スマートフォンでバーコードを提示するだけと簡単になっています。
また、スキーシーズンでは猪苗代湖の方に足を伸ばせば、長瀬川の河口付近に自然の芸術であるしぶき氷が見られます。しぶき氷とは強い西風に煽られて岸辺の樹木に付着した湖水がそのまま凍ったもので、この猪苗代湖以外ではほとんど見られない現象です。これ以外にも冬場は湖面に流氷が漂っていたり、御神渡りのような氷の隆起が見られるなど、様々な景色を披露してくれます。
まとめ
スピードやテクニックを競うのもスキーやスノボの楽しみの一つと言えますが、少し立ち止まってみて、冬場ならではの景色を眺めてみるのはいかがでしょうか、大自然の雄大な景色の中には冬にしかお目にかかることのできないものもありますので、ぜひ心の中に記念として保存してください。