雪道を走る場合、車には必ず雪道に対応しているタイヤが必要になります。もし、スタッドレスがない場合は、チェーンを装着するのも良いでしょう。ただ、普段のタイヤはノーマルで、チェーンをつけるのは面倒だという人にはバスツアーを利用するという方法もあります。
チェーンの種類
車のタイヤチェーンと言っても、色々なものが販売されています。その種類を大きく分けると、金属製、非金属製、布製の3つになります。それぞれの特徴を良く知り、自分に合ったものを購入します。
・金属製
金属製には2タイプあり、1つはラダータイプと呼ばれるはしご型のもので、もう1つはダイヤモンドパターンの亀甲型です。ラダータイプは横滑りに弱いですが、亀甲型だと横滑りにも強いという特徴を持ちます。また、金属チェーン全般には耐久性が高く、コスト的にも安いです。ただし、乗り心地の面では振動や騒音が高く、乾いた地面では極端に乗り心地や騒音に悩まされますので、こまめな着脱が必要です。
・非金属
非金属とは、ゴムや樹脂を素材にしたもので、着脱のしやすさから人気になっています。また、金属製に比べると数段乗り心地も良く、それほど雪道を走らない人にはおすすめです。これにスパイクピンがついているものもあり、アイスバーンでも安心して走行可能です。ワンタッチでの装着、そして騒音もなく、振動も少なく快適な乗り心地です。その上、技術の進歩により耐久性も高くなっています。
・布製
近年話題になっているものが布製です。これはポリエステルなどの合成繊維でできており、タイヤに被せるだけで使用できます。そのため着脱が簡単で、アイスバーンなどでもかなりのグリップ力があります。価格も安く、軽くてコンパクトなので収納にも場所をとりません。布製なので乗り心地もよく、騒音もありませんが耐久性は他の素材と比べると低めです。
チェーンのメリット
車に装着するタイヤチェーンのメリットと言えばいくつかありますが、その中でも安価で手に入るということでしょう。チェーンはスタッドレスのようにタイヤ本体を買うわけではありませんから、コスト面からいうとリーズナブルです。
次に、雪道の走行においての性能が優れていることもメリットの1つです。亀甲型であれば横滑りにも強く、安定した走行が得られます。特にアイスバーンなど固まった氷の上でもしっかりしていますし、反対に柔らかい新雪の上でも優れた走破性を示してくれます。また、収納場所をとらないのも大きな利点といえます。
チェーンのデメリット
チェーンにはメリットばかりではなくデメリットもあります。
・頻繁なタイヤへの着脱が必要
道は突然雪道になるわけではありません。たとえば日当たりの悪い場所だとアイスバーンになっていても、陽の当たる場所であれば途端に雪がなくなったりします。山道では雪が降り積もっていても、山を下りて平野部に入ると雪がなくなったりします。その繰り返しで道路は続いていますから、そのたびごとにチェーンの着脱をします。
・慣れていないと着脱に時間がかかる
取り扱いに慣れていない初心者は、寒い中で取扱説明書を片手に着脱をしなければなりません。
・着脱のタイミングがわからない
いつ着けるのが良いのか、いつ外すべきかの判断が難しいです。道路は雪が多くなったり少なくなったりしますので、どのあたりでするべきかの判断が取りにくいです。早すぎればチェーンを傷めることになり、遅すぎると事故の危険性が高まります。
・渋滞の原因になる
道路上、特に狭い道ではいくら端によって停車したとしても、やはり後続車の邪魔なったりして、それが渋滞を招いたりします。
・低速運転になる
チェーンを装着すると、高速で走ることはできません。どうしても低速走行になるので、それだけ到着までの時間がかかります。
・乗り心地が悪い
チェーンをつけると、どうしても乗り心地が悪くなります。特に金属製のものはそれなりの幅を持っていますので、その分、車に上下振動が伝わります。
・騒音がする
金属製のものは、乗り心地と同時にチェーンが回る音がします。特に雪が少なくなってくると、道路に当たってかなり大きな音がします。
スタッドレスとは?
スタッドレスタイヤとは、雪道や凍結路を車で安全に走るために開発されたスノータイヤの一種です。従来はスノータイヤにスパイクが用いられていたのですが、スパイクが舗装面を削ってしまうので、そのスパイクを取り外して雪道を走行できるように開発されました。スタッドとはスパイクのことであり、そのスパイクがないのでスタッドレスと呼ばれています。
スタッドレスのメリット
スタッドレスタイヤには多くのメリットがあります。
・高速で走れる
スタッドレスは、大体時速100キロメートル以上の速度で走ることができます。
・いちいち着脱をしなくても良い
スタッドレスは、事前につけておけばそのまま走ることができ、いちいち着脱をする必要がありません。
・チェーン規制の場所でも走れる
道路上は時々雪のためのチェーン装着規制がしかれることがありますが、その場所をタイヤのまま走行することができます。
・走行音が静か
音も静かで、ノーマルタイヤのように走れます。
・積雪、凍結、通常いずれの道路でも走行可能
どんな道路でも走ることができます。冬シーズン前に車のタイヤをスタッドレスに履き替えておけば、雪や凍結の心配がなくなるまでそのまま走り続けることができます。
スタッドレスのデメリット
スタッドレスタイヤにはメリットが多くありますが、デメリットもあります。
・値段が高価になる
スタッドレスは高価なものが多いです。タイヤ4本分ですから、それなりの出費を覚悟する必要があります。
・履き替える必要がある
雪のシーズン前に車のタイヤをノーマルから履き替えなければなりません。シーズン前と後の2回、事前に履き替える手間がかかります。
・保管場所が必要
タイヤ4本分の保管場所が必要になります。ノーマルから履き替えたらノーマルの保管場所、さらにノーマルからスタッドレスに履き替えたらスタッドレス4本分の保管場所が必要になります。
・新雪やアイスバーンでは注意が必要になる。
スタッドレスの場合は、新雪だとタイヤが空転してしまうことがあります。氷上ではやはり滑りやすくなりますので注意しなければなりません。
結論
スキー場へ行く場合、どうしても車で行きたいのならやはり雪道への備えが必要になります。その場合、チェーンを用意するかスタッドレスタイヤに履き替えておかなければなりません。どちらにもそれぞれにメリットとデメリットがあります
履き替えも自分でするのは大変ですが、タイヤ店やガソリンスタンドなどに頼めば、格安でしてくれます。また、チェーンも用意しておけば新雪でもアイスバーンでも苦にせず走れて鬼に金棒です。
なお、それほど頻繁にスキー場に行かないのであれば、公共交通機関やバスツアーを利用した方が楽に行くことができます。さらにバスツアーは、ゲレンデまで行ってくれるので、荷物の移動などもなく便利です。
まとめ
スキーシーズンになれば、ゲレンデまで行く方法について悩むことになります。車で行くのならチェーンを用意するか、スタッドレスタイヤに履き替えるかをしなければなりません。しかし、シーズンに何度か行く程度の場合は、バスツアーを利用するのも1つの方法です。